離婚から再婚の期間について~再婚禁止期間って?再婚禁止期間内でも結婚できる?〜

離婚から再婚の期間についてご紹介します!離婚をした後、もう結婚はコリゴリと再婚しない人もいますが、新しい人生の伴侶を見つけて再婚をする人も少なくありません。離婚を体験した人が次に再婚するまでに、どのくらいの期間が必要なのでしょうか?

目次

離婚から再婚の期間について~再婚禁止期間って?

 

離婚後に再婚する場合には、初婚の人が結婚する時とは少し条件が変わってくる事もあります。

それを知らずに、離婚したらすぐ再婚できるものと考えていた人が、思っていたように結婚できずに予定が狂ってしまう事もあるのです。

今回は、この離婚から再婚までの期間について以下のような流れで見ていきたいと思います。

  • 統計で見る離婚から再婚までの期間
  • そもそも婚姻とはどういう事なのか
  • 離婚後の再婚禁止期間って何?
  • 離婚後の再婚禁止期間が改正されました
  • 民法の一部を改正する法律(離婚後の再婚禁止期間の短縮等)
  • 民法第733条第2項以外に認められる再婚の特例

これらのまとめが、これから離婚、再婚を考えている人のお役に立てば幸いです。

統計からみる離婚から再婚までの期間は?

 

離婚後の再婚を考えている人は、他の人がどのくらいの期間で再婚をしているのか気になる方もいるでしょう。

ここでは、総務省統計局発表の統計を元にして1970年以降に婚姻した人の中から、離婚後再婚までににかかった期間をご紹介します。

統計からみた離婚から再婚までの期間① 男性は再婚までの期間が短い

統計局の発表では、離婚後再婚した人を男女別に分けて統計を出しています。

その中で特筆すべき事柄は、男性の離婚から再婚までの期間が1年未満から2年以内に集中していることです。

1970年には、なんと40%以上の人が1年以上に再婚しているという数字が出ています。

男性においては、離婚後年数の経過とともに、数字は下降していくのは変化ありませんが、近年はこの1年未満の割合が減り全体に数字がアップしている形に落ち着いてきています。

男性の再婚の期間の傾向は離婚後すぐに再婚しているという事で変化は無いようです。

統計からみた離婚から再婚までの期間② 女性は10年以上たってから再婚する人が多い

女性の離婚後再婚までかかる期間も、古い統計になるほど男性と同じように1年未満に再婚する数が多い傾向にありました。

その後、1年未満の数字が減リ続けている事は男性と変わりはありませんが、女性の再婚までの期間の特徴は離婚後10年以上の結婚率が上昇している事にあります。

1年未満の人数の減少した分の多くが10年以上経過してから再婚する割合に流れていく形になっています。

2009年まではそれでも1年未満に再婚する数が勝っていましたが、2010年以降は1年未満と10年以降が逆転し、ここ数年においては1番多いのが10年以降という結果に落ち着いています。

統計からみた離婚から再婚までの期間③ 離婚後1年以内に再婚する割合は減少の傾向

離婚後の再婚までにかかる年数も、時代の変化によって考えかたも変わって来て、男女共に離婚後すぐに再婚をする人が減りつつある事が統計からわかりました。

特に女性は、離婚後焦って再婚するというのではなく、離婚後10年以上経過し、子供が手を離れる頃に自分の第二の幸せを求めるような形で再婚をしているのではないかと予想できる結果でした。

離婚から再婚の期間について① まずは婚姻の成立要件


ここまでに、再婚の場合初婚と違った条件があるというお話をしました。

ここでは、その詳しい婚姻の成立要件について見ていきたいと思います。

婚姻の届出~形式的要件

離婚に限らず、婚姻出来る条件があり、それは「婚姻の要件」と呼ばれています。

「婚姻の要件」とは、大きく分けて3つに分かれており、実質的要件2つと形式的要件となっています。

この中の形式的要件というのが「婚姻の届出」と呼ばれるものです。

婚姻はこの届出がされる事で成立すると戸籍法で定められています。

「婚姻の届出」は婚姻届を市区町村役場に提出し、規定の法令違反を行っていないか審査された後受理されて、婚姻が成立するという形になります。

婚姻意思の合致~実質的要件

婚姻の要件の中でも、2つある実質的要件のひとつが婚姻意思の合致です。

本人が結婚しようと思っていないのに、他人が婚姻の届けを出して婚姻関係を一方的に結ぶという事が出来ないという事になりますね。

この婚姻の意思には、もう少し深い意味があります。判例は婚姻意思を「真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思」と解し、婚姻届出がほかの目的を達するための便法に過ぎない場合は婚姻は無効であるとしています(最判昭和44・10・31民集23-10-1894)。

したがって、例えば結婚前に子供が出来てしまい、子供を私生児にしたくないという思いだけで実質的な婚姻生活が行われないのにも関わらず、戸籍上のみ婚姻しようとする場合などは、婚姻意思を欠くとして婚姻は無効となります。

ほかにも、裁判例は、外国人女性との間の婚外子に日本国籍を取得させる目的で行われた婚姻届についても、無効としています(東京高判昭和60・2・27民集37-11-46)。

婚姻障碍に該当しないこと~実質的要件

離婚後の再婚の場合に問題となることがあるのが、もうひとつの実質的要件である「婚姻障碍」です。

婚姻障碍には、

  • 重婚であること
  • 婚姻適齢に達していないこと
  • 近親婚であること
  • 再婚禁止期間が経過していない

があります。

この婚姻障碍に該当しない場合、婚姻をする事が出来るのです。

離婚から再婚の期間について② 再婚禁止期間とは


婚姻の成立要件を見てきましたが、その中で再婚禁止期間という言葉が出てきました。

再婚禁止期間と聞いて気になった方も多いのではないでしょうか。

この再婚禁止期間について見ていきましょう。

婚姻障碍の一つ

そもそも、再婚禁止期間というのは、離婚した女性にのみ適応される期間となっています。

これは、婚姻障碍の一つであり、離婚後すぐに再婚したいと思っている女性には、非常に面倒な障碍となるでしょう。

詳しくは後述していきますが、離婚した女性については、妊娠期間があるため、子供の父親をハッキリさせるための決まりと思っておけば良いでしょう。

以前は、有無を言わさず特定の期間を必要としていましたが、近年は離婚後すぐに再婚したい女性にとって有利な変更がされました。

この変更についても、後ほど詳しくお話していきます。

なんでこんな制度があるの?

子供の父親をハッキリさせる決まりと書きましたが、これは女性のみが子供を懐妊するという事に関係します。前夫の子供を身籠った状態で再婚してしまう可能性もあるため、生まれてきた子供の父親が誰かわからなくなることを防いで、子供の地位を安定させるためでもあるのです。法律的に言うと「嫡出推定」(以下参照:民法772条)

  1. 婚姻中に「妊娠」(懐胎)した場合(1項)
  2. 婚姻成立から200日経過後に「出産」した場合(2項)
  3. 婚姻解消から300日以内に「出産」した場合(2項)

の2と3の重複を避けるために取られる期間となっているのです。

父性推定の重複が生じなければ733条の適用はない

子供の嫡出推定が重複しないのであれば、この再婚禁止期間は無くても良いという事になります。

これはどういう事かと言うと、ハッキリと前夫の子供ではないとされれば良いのです。

具体的に、父性推定の重複が生じない場合には、前の夫と再婚する場合や、女性が懐胎可能な年齢を過ぎている場合などがあります。

細かいことについては離婚から再婚までに必要な期間④と⑤【再婚禁止期間内でも婚姻できる場合】に記述してありますので、そちらを参照してください。

離婚から再婚の期間③ 再婚禁止期間の平成28年改正に注意

 

再婚禁止期間は離婚後の再婚について女性だけに適用されるのは不平等ですし、離婚したら一日も早く再婚したいと思う女性もいるでしょう。

妊婦でない女性に、その禁止期間を与えるのも良くないという考え方から、民法の見直し改定が行われました。

改正前の条文と取り扱い~再婚禁止期間は6か月だった

改正前(再婚禁止期間)「第733条  女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない」

民法で再婚禁止期間の改正が行われる前は、女性の再婚禁止期間は6ヶ月とされていました。

嫡出推定の重複を避けることを理由とするなら、再婚禁止期間は100日で足りるはずですが、半年間といえばおよそ180日間婚姻できないこととなります。

以前の再婚禁止期間では、倍近い期間の再婚禁止が義務づけられていた事になるのです。

ただでさえ女性にのみ適用される禁止期間なのに、不要な期間まで再婚が禁止されるのは早く再婚したいと思う女性にとっては不満の種でした。

以前から多くの人に改正を望まれていたのです。

最高裁の違憲判決

女性にのみ、離婚後6ヶ月の再婚禁止期間があるのは、法の下では皆平等であるという精神に反しているとして、憲法14条に違反するのではないかという審判が最高裁で行われました。

これにより、それまでの女性の再婚禁止期間には合理性がないとされて、違憲であると断定されたのです。

この民法による再婚禁止期間が設けられたのは明治時代でした。現在とはだいぶ医療・科学技術の差があって、妊娠がわかるのが遅かったという事情がありましたが、現代においては不要な期間でしかありませんでした。

再婚禁止期間を100日に短縮

この最高裁で行われた審判により、再婚禁止期間は6ヶ月だったものから100日という、極めて合理的な日数に改正されたのです。

嫡出推定の重複の観点との関係性もハッキリしたと言えるでしょう。

これによって、女性は少しでも早く再婚できるようになったのでした。

離婚から再婚の期間について④【再婚禁止期間内でも婚姻できる場合】

 

これまで、女性にだけ再婚禁止期間があると言ってきましたが、民法733条の改正によって、この再婚禁止期間が適用されない女性もある事になったのです。

どんな場合にこの再婚禁止期間が適用されないのか見ていきましょう。

女性が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合

まず、離婚をした時に懐胎(妊娠)していないと診断された女性に関しては、この再婚禁止期間は適用されないという民法改定がされました。

女性に再婚禁止期間がある理由が子供の父親の推定だけであるなら、この妊娠の有無による判断は正しいものと言えます。

妊娠していなければ、離婚届けを出した翌日には再婚をする事が可能になるのです。

これで、早く新しい夫婦生活をはじめたいと思っているカップルが、6ヶ月待たずに再婚する事が出来るようになりました。

女性が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

嫡子推定の際に問題になっていた離婚後200日以上300日以内に出産をした子供に関して、今までは前夫の子供と推定されていました。

しかし、離婚後妊娠の事実が無く、その後の懐胎がハッキリしている場合、すぐに再婚できる事が出来、新しいパートナーの子供であるとされる事になりました。

実際に女性の妊娠期間に対する誤解があるかも知れませんが、妊娠○ヶ月とされる○ヶ月は30日や31日ではありません。

4週(28日)で1ヶ月とする計算方法なので10ヶ月過ぎたとしても妊娠してから280日しか経過していないのです。

300日という経過時間なら、少し早産の人は十分に離婚後の妊娠でも出産が可能な日数なのです。

民法第733条第2項に該当する旨の証明書って?

民法第733条第2項に該当する旨の証明書とは、再婚をしようとしている本人である女性を特定する事項のほか,(1)本人が前婚の解消又は取消しの日であると申し出た日より後に懐胎していること,(2)同日以後の一定の時期において懐胎していないこと,(3)同日以後に出産したことのいずれかについて診断を行った医師が記載した書面をいいます。かんたんに言えば、自分が離婚した日には懐胎(妊娠)していない又は出産したということを証明するために、産婦人科医の診断を受け、発行してもらう書類です

これがある事により、733条2項の適用が認められ、再婚禁止期間の適用がないこととなります。

民法第733条第2項に該当する旨の証明書を出すとどう取り扱われるの?

 

子供が誰の嫡子であるか判断するポイントに「婚姻している配偶者の子供と推定する」というものがあります。

この事により、民法第733条第2項により、離婚後の女性がすぐに再婚が出来るようになるだけでなく、再婚後産まれた子供に対して、前夫の子供ではなく現在の夫の子供であると取り扱われることとなります。

離婚から再婚の期間について⑤【再婚禁止期間内でも婚姻できる場合】

 

前章で女性が離婚後再婚するために再婚禁止期間内でも再婚できる例をご紹介しました。

しかし、民法第733条第2項に該当する旨の証明書が無くても再婚禁止期間に婚姻できる条件があるのです。

以下は戸籍実務上婚姻できると認められているものです。

前の夫と再婚する場合

当然の事ですが、前夫と再婚する場合には子供がいつ生まれようが、前夫と第二の夫が同一人物であるのですから誰の子供であるかという問題は起こりません。

そのため、再婚禁止期間の終了を待たずして、離婚した女性がすぐに再婚する事が可能になっています。

この時、民法第733条第2項に該当する旨の証明書も必要ありません。

100日と言えば3ヶ月と10日ほどですが、それ以前に前夫と再婚するような事が頻繁にあるとは思えませんが、産まれた子供の父親が誰であるかという問題が起こり得ない事から、再婚禁止期間終了を待たずに再婚できることとなります。

配偶者の生死が3年以上不明で裁判離婚した場合

再婚禁止期間でも女性が再婚できる場合のひとつには「3年以上配偶者の生死が不明であった事による、裁判離婚が成立した」という場合があります。

これは再婚前に前の配偶者が3年以上行方不明である事と、そのために裁判離婚が成立しているという大前提があります。

3年以上前夫とは交流が一切ない事になるので、前夫との間に子供を妊娠する事は皆無です。

再婚禁止期間が適用される必要が無いとされる例となっています。

女性が67歳以上の場合

この他、再婚したいと思っている女性の年齢による再婚禁止期間の不適用例もあります。

女性も高齢者になると閉経して、妊娠が出来ない状態になります。

この事を踏まえて、67歳以上の女性が再婚する場合は、子供を妊娠する事自体が不可能という事で、子供の父親が誰であるかという心配は不要になり、結果再婚禁止期間が適用されません。

離婚と再婚についてもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください!!

離婚から再婚の期間について~再婚禁止期間って?再婚禁止期間内で結婚できる?〜のまとめ

 

前の結婚生活が辛かった場合、心の傷は新たな愛で埋めるのが一番とも言われます。

新しいパートナー候補がすでにいる場合、一日も早く二人の生活をはじめたい人もいるでしょう。

女性が離婚した後全ての人がすぐ再婚できないわけではありません。

しっかりとした手順を踏めば、離婚後すぐに再婚する事も可能である事がわかりましたね。

新生活をすぐにはじめたい人は、まず前夫との離婚を良い状態で成立させる事も重要です。

離婚や再婚の問題で悩んでいる人は、弁護士に相談しましょう。

自分で見落としていた早くて的確な解決方法のアドバイスをもらえる事もあるのではないでしょうか。

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この記事の作成者

ジコナラ編集部