調停離婚の理由にはどんなものがある?~調停離婚の申立ての動機と上手な説明の仕方~

調停離婚の理由にはどういったものがあるのでしょうか。二人だけではどうしても離婚がまとまらない、でも離婚がしたい。そんな時は、離婚調停に進むことになります。離婚調停の申し立てなどと言われると、どう自分の気持ちを説明したら良いのか、どんな理由なら離婚できるのか二の足を踏んでしまう人も多いでしょう。今回は、調停離婚の理由について見ていきましょう。

目次

調停離婚の理由にはどんなものがある?


離婚をしたいと思っても、自分が苦痛だと思っている事は第三者から見たら離婚の理由になるのか。

いざ離婚したい理由を説明しろと言われても困ってしまう人もいます。

特に離婚調停は、何人もの調停委員がわざわざ時間を割いて聞いてくれる場です。

適当な離婚理由を言うわけにもいきません。

  • 調停離婚の理由になる事
  • 調停離婚の理由にならない事
  • 調停で話す時の心構え
  • 調停での説明の仕方

これらを各章に分けて説明していきたいと思います。

これから調停離婚の申し立てをしようとしている人は、ぜひ知っておいていただきたいことばかりですので、参考にしていただければ幸いです。

調停離婚の理由を紹介する前に~民法上の離婚原因~


離婚理由をどう説明しようか悩んでいる人は、ネットなどで民法の離婚事由について目にした人もいるでしょう。

ここでは、そんな民法の離婚事由について見ていきます。

調停離婚には民法上の離婚原因は必要ない

そもそも、調停離婚の場では、絶対に民法上の離婚事由が離婚の申し立ての理由である必要はありません。

二人での話し合いで決着が付かない場合に、公平な立場の調停委員を交えて冷静に第三者の意見を聞きながら話し合うという場だからです。

テレビなどで見る離婚裁判と、イメージをごちゃ混ぜにしてしまう人がいますが、もっとラフな話し合いの場所と思っていただければ良いと思います。

ですから、二人で話し合っていた事の延長線上で自分が苦痛だと思っている事を、そのまま言ってしまっても良いのです。

ただ、それなりの理由がないと調停員が納得しない

ここで、問題になってくるのは、話を聞いてもらうのがこれまでの夫婦のいきさつなどを知らない調停委員だと言う事です。

あなたの事はおろか、配偶者の事も知らない人たちです。

ただ「苦痛なんです」と言っても何が苦痛なのかわかりませんね。

配偶者のどういう言動があり、それを受けてあなたがどんな苦痛を感じているのか、そして、それが二人ではもう解決するのが難しいという事を理解してもらわなくてはいけないのです。

上手に離婚の理由を説明する必要

離婚調停の話し合いは、夫婦が同じ場で会話する事はありません。

あなたが言った事を踏まえて、調停委員が配偶者にそれを伝え、配偶者の意見を聞く。

それを別の日にまた調停委員からあなたに伝えられ、歩み寄る場所はあるのか?という話し合いがされます。

ですから、あなたが配偶者に伝えて欲しい譲れない部分しっかり調停委員にわかってもらう必要があるのです。

調停離婚の理由その①【調停の申し立ての動機編】~まずはDV~


調停で離婚について話し合いが行われる時の、離婚の理由とはどういう物か。

大まかな流れは理解していただけたのではないでしょうか。

ここでは、DVについて申立書の動機に掲載されているものから実際に見ていきましょう。

調停離婚の理由① 身体的暴力

調停で離婚に関する話し合いを申し立てる場合は、あらかじめ一般的に多い申し立てる動機が14項目列挙されており、当てはまるものに○を、特に当てはまるものに◎を付ける事になっています。

その申し立て動機の中にはDVに関する項目もあります。

まず、説明しやすいのが肉体的な痛みを伴うDVです。

これは、実際にその事実がある事は必要ですが、そのための証拠は必要ではないので、そこには気にせずあなたが離婚したい理由であれば丸をつけてしまって良いです。

たった一度の暴力であっても構いません。

たった一度でも心のトラウマになってしまうような身体的暴力というものはあるものです。

調停離婚の理由② 精神的暴力

次いでDVの動機のひとつの項目として言葉の暴力、精神的なDVが挙げられています。

あなたが傷つくことを言われ続ける事で精神的にまいってしまって、正常な夫婦生活を続ける事が出来ない場合はこの項目に丸をつけて申し立てをしましょう。

精神的DVの場合は、受けている本人がそれと気付かず「わたしが悪いんだ」と思い続けているうちに、だんだんとエスカレートしていきます。

気づいた時にはもう家庭崩壊していたという事も多いのが特徴です。

調停離婚の理由③ 経済的暴力

肉体的と精神的な暴力は理解できる人も多いですが、この経済的暴力はピンと来ない人も少なくないのではないでしょうか。

・配偶者が故意に家にお金を入れない

・お金は入れてくれるけれど、使い方を細かく指示され結局自分の自由に出来るお金はまったくない

など経済的に配偶者を縛り付けようとする状態を言います。

その他、仕事をしていた配偶者に仕事をやめさせる事も経済的DVに含まれます。

調停離婚の理由その②【調停の申し立ての動機編】~経済や家庭の理由~


DVのひとつとしても、経済的な暴力がありましたが、経済的な理由も調停委員から納得してもらいやすい理由と言えます。

経済的な離婚理由とは、以下のような事を言います。

調停離婚の理由① 浪費癖がある

配偶者がお金にだらしない人で、自分の収入以上の浪費をする場合、多額の借金を家族に黙って作っている・・・などの場合があげられます。

お金が無い状態は、ご飯も食べられませんし、借家である場合は家賃も払えず、住む家にも困る事になってしまう重大な問題点ですね。

調停において、調停委員が考慮するのは「正常な夫婦生活を営めるか否か」という事が基本となってきます。

このように、収入より出費がかさむような経済状態は、調停離婚の場でも大いに相手側に問題がある理由と認められやすいです。

調停離婚の理由② 働く気がない

配偶者が病気などにより、どうしても働けないという場合を除き、ただ怠けているという理由で働かないのは「正常な夫婦生活を送る義務を放棄している」とされて、離婚の理由になります。

家にお金を入れない事で、配偶者がどこかからお金を調達してきて生活できている、それなら自分は働かずに楽できるんじゃないかと、相手に経済的に依存していると判断されます。

専業主婦はいいのか?と思われるかも知れませんが、専業主婦の場合は家事や育児という仕事をしているのでこの理由には含まれません。

調停離婚の理由③ 家庭を顧みない

家庭を顧みないというのは、働き手の男性である場合は自分で稼いだお金を持って家に帰らず全部外で使い果たして来てしまう事です。

専業主婦である女性の場合は、家事や育児などを放棄して、友人宅を泊まり歩く事がこれに当たります。

普段は家庭の事は考えず自由奔放にしており、お金に困った時など自分の都合のよい時だけ家族に頼るような事がこの理由になるのです。

調停離婚の理由その③【調停の申し立ての動機編】~そのほかの理由~


配偶者の暴力や経済的な理由以外にも、離婚調停の申立書には様々な離婚調停の動機があります。

その他としてこの項で紹介するような事も、離婚の理由として調停離婚で申し立てが可能です。

調停離婚の理由① 相手の親族との不和

基本的に夫婦関係は、配偶者同士のみが問題とされ、夫婦二人の努力が足りないという理由で判断されますが、特別な例として配偶者の家族の介入も理由として認められる可能性が高いのです。

例えば、夫の家から「孫はまだか」「子供も産めない嫁は要らない」などとしつこく要求・精神的プレッシャーをかけてくる。

または、夫の姑からモラハラまがいな行為を受ける。

などが、配偶者の家族との不和と言う理由にあたります。

単純に相手の親族との不和と言うと、嫁姑問題と思われがちですが、親族と別居している状態では嫁姑問題だけではなかなか離婚の理由までは行かない事が多いので注意が必要です。

調停離婚の理由② 犯罪行為

配偶者が犯罪者だった・・・というだけでは、調停離婚の理由にはなりません。

しかし、それによって勤め先が無くなり生活が苦しくなった。

子供が学校でいじめられるようになり、児童育成上非常に良くない状態になってしまった。

というような場合には、犯罪行為も調停離婚の理由として調停委員から納得される理由になります。

このように、申立書にある理由には、それだけでは理由としては薄いものも多いのです。

それによって生活に支障がある、子供の養育にも問題が起こっているということを付け加えることによって、それならば・・・と、認められるようになるのです。

調停離婚の理由③ 性格・価値観の不一致

離婚理由として、性格の不一致という言葉をよく耳にしますね。

しかし、性格の不一致で調停離婚する場合には調停委員を納得させるだけの問題点がなければいけません。

例えば、配偶者が宗教にのめり込んでおり、相手にも入信やお布施などを強要する。

自分の人生観を相手に押し付け、配偶者の自由意志を尊重しない。

などが、この理由になります。

調停離婚の理由その④【調停での説明の仕方編】~事前の心構え~


ここまでお話してきた事で、どのような理由なら調停委員を納得させる事が出来るのか、わかってきたのではないでしょうか。

ここでは、調停離婚に向けての心構えについてお話していきます。

調停離婚に向けて① 証拠を集める・事実関係を整理する

調停離婚には、証拠品は必要としませんが、より調停委員に理解してもらうために実際に「これこれこうゆう事があったので、こうなりました」という話の筋道を示す意味で、証拠品などを用意するのも良い方法です。

例えば、家にお金を入れてくれないというのを説明するため、預金通帳のコピーを持参して実際に見てもらう・・・などです。

実際に目に見える証拠があった方が、調停委員のあなたに対する心象は良くなりあなたの意見が通りやすくなってきます。

調停離婚に向けて② 調停委員はあなたの代理人ではない

申立人側の気持ちでは、「私が申し立てたのだからそれを相手に伝えてくれれば良い」と思ってしまいがちですが、調停委員は申立人の代理人では無いのです。

調停委員はあくまでも、第三者的な立場において、双方の意見を聞き、一般的な価値観で二人の話をまとめていく存在であると思っておいてください。

要はいかに自分の意見を正当化させることが出来るのか」というあなたの話術にかかってくるのです。

調停離婚に向けて③ 調停委員を味方につける

先程もお話した通り、調停委員はあくまでも公平な立場であなたと配偶者を見ようとします。

しかし、あなたの話し方ひとつであなたにとって味方になるような考え方をしてくれます。

誰が聞いても「あなたがかわいそう」「相手が悪い」と思うように説明することが大切なのです。

調停離婚の理由その⑤【調停での説明の仕方編】~調停の場で~


調停委員は、あなたの説明の仕方ひとつで味方にも敵にもなります。

それならば、調停委員を味方につける説明の仕方を学習していきましょう。

調停離婚に向けて① 時系列で客観的な事実を話す

まず、第三者に理解してもらうには「私はこう思ったのです」と感情的な話をしても最初はわかってもらえません。

相手から自分や家族に対してこんな事があって、そのためこんな事になりました。

その事が原因で私はとても辛い思いをしています。

誰にでも最後のあなたが辛い意味を理解してもらえるような事実関係を選び、客観的に話すようにすると良いのです。

ズルい手ですが、子供に絡んだ話をすると、調停委員はこちら側の意見が重要だと思ってくれやすいです。

 調停離婚に向けて② 相手の非難をする場ではない

離婚調停で、感情的になって怒鳴り散らしたりする人も稀にいるようですが、それは調停委員の心証を下げてしまう事なので避けましょう。

調停離婚を成功させるには、どれだけ物事を整理して、客観的に話が出来るかにかかっているのです。

中でも相手を非難しまくるのは、あなたの方が不利になる場合があります。

あくまでも事実を淡々と述べていって、その結果あちらの方に問題があるとわかる話を選んでいくのがコツです。

調停離婚に向けて③ 自分が関係修復に向けて努力してきたことも話す

離婚調停の調停委員の傾向として、お互いの不満点などを聞いた後「もう少しお互い努力して直せませんか」という話をしてきます。

基本的に調停で行われる話し合いは、夫婦関係を修復するのを目的としているのです。

そのために、あなたは今までどれだけ夫婦関係を円満にするために努力したのかというのも話をした方が良いです。

調停離婚に向けて④ 多少は脚色も必要だったり

客観的な話をするというところで「子どもの話をしていく」と言いました。

このように嘘ではないが、少し自分の主観を客観的に聞こえるように言うというテクニックも有効な理由の説明方法です。

こうゆう事があったので子どもが家で居心地悪そうにしている(気がする)。

この「気がする」を言わないだけでよいのです。

調停離婚について知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください!!

調停離婚の理由にはどんなものがある?~調停離婚の申立ての動機と上手な説明の仕方~のまとめ


調停離婚において、どんな理由で申し立てをしたら良いのかというお話をしてきました。

裁判離婚とは違い、ちゃんとした証拠のある理由は必要ないのが調停離婚ですが、第三者をどれだけあなたの味方に出来るように説明できるかというのが、調停のポイントになってきます。

もし、自分でうまく説明できる自信がない時は、離婚問題に強い弁護士に話を聞きましょう。

どんな理由が納得されやすいかなど、アドバイスしてもらうと良いですね。

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この記事の作成者

カケコム編集部