水産庁職員を含む39人を賭博容疑で書類送検~賭博罪はなぜ犯罪?どんなときに成立?〜

違法な操業船などを取り締まる水産庁の漁業取締船内で、高校野球の優勝校を当てる賭博をしたとして、警視庁は水産庁職員4人を含む計39人を賭博容疑で書類送検しました。

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水産庁職員を含む39人を書類送検~漁業取締船内で野球賭博をした疑い〜

違法な操業船などを取り締まる水産庁の漁業取締船内で、高校野球の優勝校を当てる賭博をしたとして、警視庁は水産庁職員4人を含む計39人を賭博容疑で書類送検しました。

書類送検されたのは、水産庁の漁業監督官4人と、水産庁から業務委託を受けて取り締まりに参加していた民間の船長や船員ら35人です。35人は「みなし公務員」にあたるといいます。

捜査関係者によると、送検容疑は2014年3月から16年3月に、航行中の漁業取締船の船内で高校野球の優勝校を1口500円で予想し、賭けたというものです。監督官らは任意の調べにいずれも容疑を認め、「船上のレクリエーションとしてやった」などと話しています。

なんで賭け事が犯罪なの?どんなときに賭博罪となるの?

カジノや野球賭博など、賭け事に関するニュースが後をたちませんが、みなさんは、賭博がなぜ犯罪なのか考えたことはありますか?

いろいろな考え方があるとは思いますが、判例は、勤労その他の正当な原因によるのではなく、偶然の事情でお金を得ようと争うことで国民が怠惰となり、浪費に走り、勤労の美風を害するからだとしています(最大判昭和25・11・22刑集4巻11号2380頁)。

ほかにも、賭博によって自分が財産上の損害を受けたり、他人に財産上の損害を与えることを禁止するために犯罪とされているとする見解もありますが、あまり一般的ではありません。

やはり、公の秩序を守るために、賭博が犯罪とされていると考えられています。

では、賭博罪はどんなときに成立するのでしょうか?

刑法185条「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」

条文には、「賭博」としか書いてないので、ここは解釈に委ねられることとなりますが、「賭博」とは、偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為をいいます。典型例は、賭けマージャンや賭け将棋などでしょう。

一方で、「一時の娯楽に供する物」を賭けても犯罪とはなりません。具体例としては、食事やタバコなどを指すと言われています。もっとも、金銭は、金額の大小にかかわらず賭博となるとされている(最判昭和23・10・7刑集2・11・1289)ので注意が必要です。

また、競馬や競輪などは特別法によって正当化されていますので、競馬や競輪をしても賭博罪は成立しません。

いかがでしたか?カジノ法案が話題になっている今、知っておくべき賭博の話でした。

 

この記事の作成者

カケコム編集部