親権とは?親権者の変更、監護権との違い、親権の停止について

未成年の子供がいる夫婦が離婚した場合に決めた親権者。後から子供と離れて暮らすのが辛くなってきたので、親権を変更したいと考える人もいるそうです。また、子供との面会時に「パパと暮せば良かったな」などと子供に言われて子供を引き取りたくなる事もあるようです。親権の変更とは難しい事なのでしょうか。

目次

親権とは?

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離婚をするにあたり、気になることの1つに親権があります。

親権と言うのは、未成年の子供の監護と養育を行い、同時に財産を管理する権利を持つ者の事を言います。

子供がいる場合には、必ずこの親権者を決めないと離婚届を提出する事が出来なくなっています。
子供に対して責任が大きい、重大な立場といえるのがこの親権者です。

子供に対して、愛情があり離れるのが辛いというだけで自分に子供を育てる能力が無いにも関わらず親権者になりたがる人もいるようです。

実際そのような子供は、親権者ではない他人の手によって育てられる事となり寂しい思いをする事にもなりかねません。

大人のエゴだけで子供の幸せを無視して主張して良いものではありません。

親権の基礎知識~親権者、親権の内容、親権と監護権

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親権者は未成年の子供の監護などを行う一番近い保護者と言える人です。

しかし、話し合い次第では親権者と監護者という2つを立てて子供を養育する事も出来るのです。

親権者は誰か?

子供に対して法律的に責任も権利もあるのが親権者となります。
ほとんどの場合、親権者が子供の養護や教育を行い、子供の財産も管理する権利と義務があります。

離婚時の親権者として母親が9割、1割の父親が親権者になっている現状です。
ほとんどが子供を実際に面倒を見る母親を親権者として決めています。

それは、子供を実際に育てていく方が親権を持っている方が便利だからです。

親権の内容

ここまで親権者の権利と義務を簡単にご紹介してきましたが、法律的に言う親権者は以下のような内容を行う事が出来ます。

  • 身上監護権
  • 財産管理権
  • 代理権
  • 同意権
  • 身分上の行為の代理権

未成年の子供の判断で決められない事が起こった場合、代理人として子供の代わりに子供を一番に判断し、手続きを行うのが親権の内容にもなってくるのです。

ですから、親権者には子供のためを思って動ける人がなるのが適当であると考えられています。

監護権って?

監護権は子供の側にいて、子供の世話や教育をする親の権利義務のことをいいます。監護権は親権の本質であるといわれています。

この監護権は、民法820条で子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う、と定められています。つまり、監護権は親の持つ権利であると同時に義務でもあるのです。

親権と監護権

基本的には親権者と監護権者が一致することが子供の福祉にとって良いと考えられていますが、別々の方が良い場合は、親権者と監護者は別々に定めることも出来ます

どうしても親権を譲れない、自分に親権を渡さないと離婚しないと言い張る親がいた場合、親権とは別に擁護者を決める事で、親権者でなくても子供を擁護し、一緒に生活することが出来るようにする事も可能です。

あまり多くない例ですが、このような解決方法を選ぶ夫婦もいるのです。

親権と養育費の関係

養育費は子供が成長するにあたって必要なお金です。

養育費とは?

子供を監護している親が、子供を監護していない親に対して、子供の養育に必要なお金を請求することが出来ます

この費用のことを「養育費」と呼びます。養育費は、離婚をしたとしても親として当然支払うべき費用となります。

子供の扶養は親としての義務

親である以上、子供の扶養は当然の義務であると民法に定められています

離婚をして、親権を有していないのならもう親ではないと考える人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

たとえ親権を有していなくても、親子関係は戸籍上にも明記されており、消滅することはありません。

故に、親権がなくても、親として子供への扶養義務があります

 養育費は必ず払うの?

離婚後の養育費の支払いについての法的な定めはありませんが、親である以上、子どもの扶養は当然の義務であることを理解し、養育費はしっかりと負担していかなければなりません。 

また、養育費は親権者のために払うのではなく、子供のために子供の成長に必要なお金を支払うものです。子供のこれからを考え、親は養育費を支払わなければなりません。

親権者の変更ってできるの?

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親権者は離婚の時に絶対決めなければいけない事だというお話をしましたね。
しかし、この親権は後から変更する事もできるのです。

離婚時の親権者の届出より手続きが厳格

協議離婚時には離婚届に親権者を記入するだけで親権者を決定することができましたが、離婚後の親権者の変更はこのような届出のみですることはできないことになっており、親権者変更調停の手続きが必要になります。

手続き面だけでなく、実際に親権者を離婚後に変更するのは難しい点が多くあります。

なぜ変更が難しいのか、以下に見ていきましょう。

基準になるのは子供の福祉

親権者としてふさわしいのは、子供を幸せにできる方であるという考えがあります。

一般的に調停委員の考えとしては、現状に近い状態で育てられる方が子供にとっては幸せであろうという考え方です。
もちろん、これは良い方に変わる可能性もあるのですが、それは変わってみなければわからない、今判断できない事であるという見方です。

ですから、離婚前から子供の世話をしている母親の方が親権を取れる可能性が高くなってしまうのです。

子供の福祉に反する場合は親権者を変更する事も可能

それでも、例えば離婚した後に母親の仕事が忙しくなり、子供の面倒が観られなくなったという事実があったとします。

そして、現在は父親の方が時間的に余裕があり、子供と接していられる時間が長くなる見込みがあるとします。

そこに、子供だけでいる事による、事件や事故という事実関係があれば、途中から子供の福祉にたいする現状が変わったとみられる場合も無い事もないのです。

ただ、時間があるから子供の面倒が見られるかといえばそれも難しい問題となってきますね。

可能ではあるが親権者の変更は非常に難しい

実際に子供の面倒を見てきた実績がある父親ならいざ知らず、現在子供と一緒にいられる時間が多少はあるというだけでは、父親と一緒にいるほうが子供が幸せか……という判断になるのは非常に難しいでしょう。

親権者の変更という制度はありますが、それが実現するにはもう少し重大な問題が必要となると思った方が良いでしょう。

親権の停止って?

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それでは、実際に親権の停止や移動はどのような例で行われるのでしょうか。

親権の停止の実例と子育ての現状についてお話します。

急増する児童虐待

最近は、実の親であっても「しつけ」と称して子供に対して厳しすぎる折檻をし、最終的には子供が大怪我をしたり、中には死亡してしまうニュースも耳にした事がある人もいるでしょう。

例えば、母親が親権者となって一緒に暮らしていたけれど、再婚相手からの虐待がある、母親からの虐待があるなどという場合です。

子供の安全と幸せを考慮して、子供当人や、子供の親族から申し立てる事が出来ます。

民法の変更と親権の停止

親権とは、子供のしつけをする事も含まれています。

しかし、過度な折檻やしつけの度を越えた行動は親権の濫用として取り締まられなければいけない事です。

このために民法では、親権者の規定の中に「子の幸せのために」という一文を加え、子供を守るよう改正が行われたのです。

極端な例ではありますが、このように子供の幸せにならないような親権者であると認められた場合は、親権の停止を求める事もできるようになったのです。

離婚後の親権でお悩みの方はこちらの記事も合わせて読んでみてください

親権とは?親権者の変更、監護権との違い、親権の停止についてのまとめ

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子供の親権とは何か、親権者にならずとも監護者として子供と暮らしていける方法もあるという事、親権者の停止の申し立てがしやすく民法が改正されているという事をお話してきました。

しかし、一度決めた親権者を停止したり変更したりするのは難しい事だというのが実際のところでしょう。

どうしても親権を変更したい場合は、法律家の力を借りるのが良いでしょう。

この記事の作成者

カケコム編集部