セクハラの法的意義~スカートの女子署員にプロレス技「つり天井固め」〜

昨年11月、滋賀県警長浜署員が開いた職場の懇親会で、男性署員がスカートをはいた女性署員にプロレスの技をかけ、その様子を写真撮影していたことが27日、県警監察官室への取材で分かりました。

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スカートの女子署員にプロレス技「つり天井固め」

昨年11月、滋賀県警長浜署員が開いた職場の懇親会で、男性署員がスカートをはいた女性署員にプロレスの技をかけ、その様子を写真撮影していたことが27日、県警監察官室への取材で分かりました。

監察官室は、セクハラ行為に当たる可能性もあるとして当時の状況を調べています。

女性署員にかけたのは、うつぶせに寝た相手の両足を自分の足に絡ませて固定し、相手の両手をそれぞれつかんで空中であおむけに体を反らせる「つり天井固め」と呼ばれる技で、女性の1人はスカートをはいていたとのことです。

セクハラの法的意義

セクハラとは、「セクシュアル・ハラスメント」の略だとされていますが、一般的には「相手方の意に反する不快な性的言動」であると理解されています。

法律用語上の概念としてはここから一定範囲のものが抽出されます。

我が国において「セクハラ」を一般的に罰する法文があるわけではなく、個々の具体的な事例に即して刑事上、民事上の責任が問われることとなります。

なお、男女雇用機会均等法第11条では、事業者が職場における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上の措置を講じる義務を負うとされているので、一般的な規定がまったく存在しないわけではありません。

この規定や、人事院規則で定められているセクハラの内容は、後述する具体的な争いの事実認定の場面では重要な役割を果たしますが、今回はそれについては省略いたします。

では、どのように「セクハラ」の責任を追及するのでしょうか?

刑事責任としては、セクハラは、個々の事情によっては、強姦罪(刑法177条)、強制わいせつ罪(刑法176条)、暴行罪(刑法208条)、強要罪(刑法223条)、名誉毀損罪(刑法230条)、侮辱罪(刑法231条)などの適用可能性があります。

これは、個々の事例ごとに判断することとなります。

また、民事責任については、被害者から加害者本人もしくは使用者に対して不法行為(民法709条等)もしくは契約責任(民法415条等)を問う形で争われており、セクハラ行為の有無や不法行為法上の違法性の有無、契約法上の債務不履行責任の有無などが争点となります。

今回の事件の争点も上記のような形で争われることとなるでしょう。今回は、刑事責任を問う場面では暴行罪(男性署員は女性署員に対しプロレス技という「暴行」を加えている)、民事責任を問う場面では、被害者の身体的自由や性的自由、人格権に対する不法行為責任の成立などが考えられるでしょう。

今回の事件について、詳細な事実関係についてはいまだ調査中とのことですので、今後の展開はわかりませんが、セクハラは立派な人権侵害です。みなさんも気をつけましょう。

この記事の作成者

カケコム編集部