正当事由なく婚約破棄されたら慰謝料請求で反撃を!|婚約破棄されたときの慰謝料請求の方法

婚約破棄には正当事由が必要です。あまり有名な話ではないですが、それを知らないで一方的に婚約破棄してしまった場合は慰謝料請求というしっぺ返しが飛んでくる可能性があります。そこで今回は婚約破棄における正当事由について詳しく解説します。

目次

正当事由なく婚約破棄された時の反撃手段は慰謝料請求しかありません

婚約は、口頭での婚約の場合でも明確な合意がある限り婚約は契約として拘束力を持ちます。
 

したがって、一度成立した婚約につき正当事由のない婚約破棄は違法になるのです。

ただ、法律にも限界はあるので、婚約破棄に正当事由がないとしても、無理やり相手に婚約を継続させることや再び婚約させることはできません。

婚約においては結婚をする明確な意思があることが重視されているからです。

もっとも、正当事由のない一方的な婚約破棄による精神的損害につき、慰謝料請求をすることはできます。

裏を返せば、正当事由なく一方的に婚約破棄された場合には、慰謝料請求という反撃手段しかないことになります。

一度破棄された婚約が復活しないということは非常に悲しいものですが、せめてもの報いとして、正当事由なく婚約破棄された人は、慰謝料請求をすることで金銭的に救済を受けることを考えましょう

  • 相手から一方的に婚約破棄された
  • 婚約破棄を考えている
  • 婚約の定義や婚約破棄の正当事由について知りたい

こんな人は要チェックです!!

婚約破棄した相手に慰謝料請求できる条件は?

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婚約破棄した相手に慰謝料請求できる条件を見ていきましょう。

そもそも婚約が成立していることが必要

婚約破棄の正当事由について争う前に、「婚約はいつ成立するか」ということが問題になります

両親や友人に婚姻意思を伝えたことや、性的関係を継続していたことなどを根拠に婚約が認められるといわれることがあります。

もっとも、これらの場合は婚約が認められる一例にすぎません。

判例は、両親や友人に婚姻意思を伝えている場合などでなくても明確な合意があれば婚約は成立しているとしています。

被上告人が上告人の求婚に対し、真実夫婦として共同生活を営む意思でこれに応じて婚姻を約した上、長期間にわたり肉体関係を継続したものであり、当時者双方の婚姻の意思は明確であつて、単なる野合私通の関係でないことを認定しているのであつて、その認定は首肯し得ないことはない。

最判昭和38・9・5民集17巻8号942頁

婚約破棄が一方的で、かつ正当事由がないことが必要

婚約が認められれば、婚約破棄が問題となります。

合意で婚約破棄ができればいいですが、一度婚約してしまった以上、必ずしもそううまくはいかないでしょう。

婚約は契約として法的拘束力を持っていますから、婚約が成立している状態では、正当事由がない限り一方的な婚約破棄は違法ということになっています。

正当事由のない一方的な婚約破棄は違法ですから、婚約破棄に正当事由がない場合、婚約破棄された側は婚約破棄した側に慰謝料請求できるということになります。

このように、婚約破棄に対する慰謝料請求をするためには正当事由があるかないかを判断することが非常に大切です。

そこで、次に、正当事由の例を見ていきましょう。

婚約破棄の正当事由の例

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それでは、婚約破棄が許される正当な事由はどんなときに認められるのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

相手がほかの異性と性的関係を持っていた

まずは相手がほかの異性と性的関係を持っていた場合です。

これは正当事由として非常に強力です。

婚約者以外に性的な関係を持った人と別れることができないなんて常識的にもおかしいですもんね。

そのため、婚約者がほかの異性と性的関係を持っていたといったことが分かったのなら、それを告げて婚約破棄することができます。

また、相手方がほかの異性と関係を持った事実がはっきりわかる画像や音声などの証拠があれば、婚約関係上の貞操義務違反として慰謝料請求できる可能性があります。

詳しくは結婚前の浮気に対して慰謝料請求する方法|婚約関係・内縁関係における浮気についてを参照してみてください。

DVを受けた

DV・虐待行為を受けた人はそれを正当事由として婚約破棄を行うことができます。

この虐待行為は肉体的なものと精神的なものの両方を含みます。言葉の暴力や肉体的な暴力が発生した場合、婚約を破棄しても問題ありません。

この場合は、婚約を自ら破棄したうえで、相手に対してDV・虐待行為を理由に慰謝料請求をすることもできます。

経済的状況の急変

婚約をしたものの、相手方が失業した…収入がなくなった…というような場合です。あとで相手に多額の借金があったことが判明したなんて場合もありますよね。

相手方の経済的状態が急変した場合も正当事由になります。

夫婦は、富める時も貧しいときもこれを愛し続ける…結婚式の誓いのような夫婦になりたいところではありますが、現実的に不可能な時も当然あるわけです。

このような場合は婚約破棄の正当事由が認められる場合もありますので覚えておきましょう。

婚約破棄の正当事由と認められにくい例

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それでは、婚約破棄の正当事由が認められにくい場合とはいったいどんな場合でしょうか?

年回りが悪い

年回りとは特定の年齢では吉凶があり、厄年といった物に該当しているのです。つまり、年齢による運勢のようなもので、その運勢が悪いからという理由で婚約破棄をすることは難しいのです。

占いや運勢のような非科学的なものは法的な正当事由とすることが難しいためです。

性格の不一致

単純に相性が悪いというのは色々と理由があるでしょう。

価値観が合わないとか単純に相性が悪いとか色々とありますよね。

だから別れたい!と思うことも理解できますし、実際に価値観や生活スタイルの違いによる婚約破棄が問題となっているケースは多いです。

しかし、ケースにもよりますが、に相性が合わないというだけでは婚約破棄における正当事由は認められにくいです

やはり、きちんと話し合いを重ねてお互いが納得した形で別れるのが一番でしょう。

ただし、性格の不一致があるというだけでなく、性格の不一致を解決しようときちんと話し合いを重ねてきたが解決できなかったといった場合には、正当事由が認められる場合もありえます

相手の出自に関するもの

相手の出自を理由とした婚約破棄が問題となることもあります。

例えば、相手が外国籍であるとか、相手方が被差別部落出身者である、といったような場合です。

このような場合は正当事由が認められにくいです

出自というのは本人にはまったく帰責性のないものだからです。

裁判例でも、相手が韓国籍であることや、被差別部落出身者であることを理由とした婚約破棄は正当事由が認められませんでした。

正当事由なく婚約破棄されたら慰謝料請求で反撃を!|婚約破棄されたときの慰謝料請求の方法のまとめ

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婚約にまつわる慰謝料には、婚約に基づく義務違反に対する慰謝料請求と正当事由のない一方的な違法な婚約破棄に対する慰謝料請求とがあり、複雑です。

簡単にまとめます。

まずは「婚約が成立しているか」を確認してください

婚約が成立しているだけで、浮気やDVなどの場合に婚約に基づく義務違反に対する慰謝料請求ができます。

次に、婚約破棄された場合には「婚約破棄に正当事由があったか」を確認してください

婚約破棄に正当事由がない場合は、一方的な婚約破棄は違法なものとしてこれに対する慰謝料請求をすることができます。

これらの判断は、慰謝料請求の前提として裁判所が個別の事情に即して客観的に認定を行うもので、素人では判断が難しいものです

婚約破棄に悩む方は一度男女間トラブルに強い弁護士に相談して、アドバイスをもらうことをおススメします。

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この記事の作成者

カケコム編集部