体罰と懲戒の境界~竹刀で体罰、女子中学生1か月入院

千葉県鴨川市の市立中学校の男性教諭(39)が、顧問を務める剣道部の練習中に、女子生徒の頭を竹刀で直接たたくなどして、けがを負わせていたことがわかりました。この暴行により、女子生徒は33日間の入院を余儀なくされました。県教育委員会は、この教諭を停職6カ月の懲戒処分に、体罰を防げなかったとして同校の男性校長(58)を戒告の懲戒処分にしました。

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竹刀で防具をつけていない女子生徒の頭を殴打、女子生徒は1か月入院

千葉県鴨川市の市立中学校の男性教諭(39)が、顧問を務める剣道部の練習中に、女子生徒の頭を竹刀で直接たたくなどして、けがを負わせていたことがわかりました。

県教育委員会は、この教諭を停職6カ月の懲戒処分に、体罰を防げなかったとして同校の男性校長(58)を戒告の懲戒処分にしました。

県教委によると、教諭は昨年11月1日朝、防具をつけていない2年生の女子生徒の頭を竹刀で少なくとも5、6回たたいたほか、のどもとを突くなどし、脳震盪や打撲のけがを負わせました。

生徒は33日間入院したそうです。

教諭は、生徒の集中力が欠けているように見えて「カッとなった」と話しているといいます。

生徒の保護者が鴨川署に被害届を提出し、教諭は傷害罪で略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けました。

教諭は、2014年4月~昨年10月にも複数の生徒を竹刀でたたくなど体罰を繰り返していたといいます。

体罰と懲戒の境界って?

 体罰…よく聞く言葉だと思いますが、法律上はどのような扱いをされているのでしょうか?

体罰に関しては、学校教育法11条に定めがあります。

実際に条文を見てみましょう。

校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

このように、体罰は法律で禁止されており、違法行為に当たります。

当然、生徒を殴れば暴行罪(刑法208条)、今回の事件のようにけがを負わせれば傷害罪(刑法204条)に当たるわけで、刑事罰が待っているわけですが、「懲戒」と「体罰」の境目はどこにあるのでしょうか?

この基準に関して、明確な法律の定めはありませんが、文部科学省の出している「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」(24文科初第1269号平成25年3月13日)によれば、「当該児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する」としています。

生徒や教師の一方的な主観のみではなく、客観的な判断がなされるわけです。

また、判例も同様の基準を採用していると思われます。

最高裁平成21年4月28日判決(民集第63巻4号904頁)は、女子数人を蹴るという悪ふざけをしたうえで、これを注意した教師(上告人)のでん部付近を2回にわたって蹴って逃げ出した生徒(被上告人)に対し、その生徒を追いかけて捕まえ、生徒の胸元を右手でつかんで壁に押し当て、大声で「もう、すんなよ。」と叱った上告人の行為について、「児童の身体に対する有形力の行使」ではあるが、「肉体的苦痛を与えるために行われたものではない」ことを認定し、「目的、態様、継続時間等から判断して」「教育的指導」の範囲内にあるとしています。

この基準に関しては、不明確であるという批判もありますが、やはり、画一的な基準を作ることは難しいように思われます。

具体的な事例判断を示しているものとしては、文部科学省の上記通知の別紙「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」などがありますので、興味のある方は実際に読んでみてください。

いかがでしたか?

いま一度、教育や体罰について、考えてみてください。

 

この記事の作成者

カケコム編集部