アイドルの15歳の娘を中学校に通わせず、母親を書類送検

15歳の娘を中学校に通わせなかった疑いがあるとして、大阪府警は18日、娘の母親を学校教育法違反の容疑で書類送検したと発表しました。娘はアイドルとしてライブなどの芸能活動を行っており、母親は芸能活動を優先したと話しているとのことです。

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アイドルの15歳の娘を中学校に通わせず、母親を書類送検

15歳の娘を中学校に通わせなかった疑いがあるとして大阪府警は18日、母親を学校教育法違反の容疑で書類送検したと発表しました。
娘はいわゆるアイドルとしての芸能活動を小学生の頃から行っており、母親は「芸能活動を優先したかった」と話しています。
 
過去に教育委員会は母親に娘の通学を求める督促状を計6回送付していましたが無視、今回書類送検にまで至りました。
学校教育法違反容疑での書類送検は全国的に見ても非常に珍しいケースです。 

日本の就学義務教育の成り立ち〜憲法・教育基本法・学校教育法〜

皆さんもよくご存知のように日本には義務教育と呼ばれるものがあります。

一般的に小学校6年間、中学校3年間の計9年間の就学すること、させることを国民に義務付けています。

ではその成り立ちはどのような構造になっているのでしょうか?

まずは大原則、憲法というものが存在します。

日本国憲法には就学の権利・義務について書かれています。

全て国民は法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する(憲法第26条1項)(教育を受ける権利)

すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とする。(憲法第26条2項)(教育を受けさせる義務)

そして、憲法に基づいて教育基本法学校教育法が定められています。

教育基本法には「教育の目的及び理念」「教育の実施に対する基本」などが規定されています。

その中に具体的に9年間就学させなくてはならない、という規定はなく、その具体的内訳学校教育法に規定されています。

学校教育法とは学校教育に関する総合的なことをまとめた法律で、教育基本法と同じく1947年に制定されました。

戦前の伝統的な教育体制を転換し、6・3・3・4制度をはじめとする現代の新たな教育制度を規定しています。

度重なる改正を経て、教育基本法と共に教育制度の構造を作ってきました。

その中に具体的な9年間の義務教育の規定があります。

保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校の課程、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間においてこれらの課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。(学校教育法17条1項)(小学校の就学義務)

保護者は、子が小学校の課程、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十五歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。(学校教育法17条2項) (中学校の就学義務)

つまり憲法が原則として存在し、教育基本法で教育の土台を作り、学校教育法で具体的なことを規定している、という構造になっているのです。

以上のことから分かるように、小学校6年、中学校3年、計9年の就学をさせることは国民にはっきりと義務付けられています

いじめや精神的負担、重大な病気などのやむを得ない理由があれば話は別ですが、保護者の「芸能活動を優先したい」という都合で学校に行かせないことはできません

それほど重要で心身に与える影響がとても大きいのが義務教育というものなのですから。 

この記事の作成者

カケコム編集部