「森のくまさん」作詞者、替え歌芸人パーマ大佐らに慰謝料請求

童謡「森のくまさん」の日本語歌詞の作成者である馬場祥弘さん(71)が18日、同曲の替え歌を収録したCD等により著作者としての人格権を侵害されたとして、替え歌の作成者である太田プロダクション所属の芸人パーマ大佐とCD等の販売元であるレコード会社ユニバーサルミュージックに対しCD・DVD等の販売の差し止めと慰謝料300万円を求める通知書を送りました。

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「森のくまさん」作詞者、替え歌芸人パーマ大佐らに慰謝料請求〜「著作者人格権を侵害された」

童謡「森のくまさん」の日本語歌詞の作成者である馬場祥弘さん(71)が18日、同曲の替え歌を収録したCD等により著作者としての人格権を侵害されたとして、替え歌の作成者である太田プロダクション所属の芸人パーマ大佐とCD等の販売元であるレコード会社ユニバーサルミュージックに対しCD・DVD等の販売の差し止めと慰謝料300万円を求める通知書を送りました。
 
替え歌は元々の楽曲に新たに歌詞とメロディーが付け足されており、馬場さんは2016年11月に日本音楽著作権協会(JASRAC)から替え歌販売に関する許可を求められましたがそれを拒否しました。

しかし翌月替え歌を収録したCD・DVDが送られてきたとのことです。

著作者人格権とは?著作権とは違うの?

著作権とは著作物に対して発生するを排他的に支配できる財産的な権利のことです(知的財産権)

著作物の利用によって利用者から利用料を得たりすることができる権利です。

対して著作者人格権とは著作物を生み出した人(著作者)の人格的権利を守るためのもので、大きく
  1. 公表権
  2. 氏名表示権
  3. 同一性保持権
から成り立っています。
  1. 公表権とは著作物を公表するかどうか、またはその方法を決定できる権利です。
  2. 氏名表示権とは著作物に対し著作者としての氏名を表示するかを決定できる権利です。
  3. 同一性保持権は著作物をむやみに他人に変えられない権利です。

今回最も重要なポイントは3. の同一性保持権です。

著作者は勝手に著作物を変えられない権利を持っているにも関わらず無許可で歌詞を改変されたわけですから著作者人格権の侵害を主張しているわけですね。

しかし実はこの「森のくまさん」、元々はアメリカの民謡で馬場さんは英語の歌詞を翻訳した「翻訳者」なのです。

翻訳者にも著作者人格権は発生するのでしょうか? 

ここでそもそも著作物とはなんなのか、ということについて考えてみましょう。

著作権法第二条によれば「思想または感情を創作的に表現したものであって文芸、学術、美術、または音楽の範囲に属するもの」とあります。

そして、ある著作物を許諾を得て翻訳、変形、脚色などをして新たに生み出されたものは二次的著作物と呼ばれ、保護の対象となります。

しかし今回のような「翻訳」のケースでは何でもかんでも二次的著作物として認められるわけではありません

一般的に翻訳をする際に、作者の創作的表現が現れているかが問題となります。

なぜかというと、例えば 「I have a pen 」という文章に対しての「私はペンを持っています」という翻訳に著作権を認めてしまえば今後その至極一般的な翻訳を皆が利用できなくなってしまうからです。

それでは困りますよね。 

このように翻訳などの二次的著作物には作者の創作的表現が直接感得されることが必要です。

森のくまさんの翻訳に馬場さんの創作的表現が新たに付与されていることが認められれば、はっきりと著作者人格権を主張できるのです。

ではパーマ大佐の作った替え歌も二次的著作物になるのでは?と考える人もいるかもしれませんが、先にも書いた通り二次的著作物となり得るためには元々の著作物の著作者の許諾が必要です。

馬場さんは許可を求められた際拒否したと言っていることに加え、創作性の観点から見ても替え歌が二次的著作物として認められる可能性は少ないでしょう。

どうでしたか?著作権・著作者人格権について少しでも理解を深めることができたでしょうか。

くれぐれも著作物を扱うときは慎重に!

この記事の作成者

ジコナラ編集部