「ろくでなし子」控訴審結審〜アートなのか?わいせつ物なのか?〜

女性器をかたどった作品を発表するなどして、わいせつ物陳列などの罪に問われている芸術家の「ろくでなし子」こと五十嵐恵被告人の控訴審の弁論が1月17日、東京高裁で開かれた。

目次

自身の女性器をかたどり展示、データを第三者に譲渡

女性器をかたどった作品を発表するなどして、わいせつ物陳列などの罪に問われている芸術家の「ろくでなし子」こと五十嵐恵被告人の控訴審の弁論が1月17日、東京高裁で開かれた。
 
この裁判においては、「ろくでなし子」さんの作品、通称”デコまん”について刑法175条におけるわいせつ性の有無が争点となった事案であり、2016年5月の東京地裁判決において、「一部無罪」の判決が言い渡されることとなった。

これに対して「ろくでなし子」側、検察側双方とも控訴をしていた。

表現の自由との衝突〜「わいせつ」とは?〜

この裁判において「ろくでなし子さん」の作品が憲法21条の表現の自由の保障を受けるアートなのか、それとも刑法175条の「わいせつ」に該当してしまうのかこのことが争点の要となりました。

では、まず初めに「わいせつ」に該当してしまうかどうかということを言っているが、そもそも「わいせつ」の定義というものがあるのかということについて述べていきたいと思います。

このわいせつ性については、通称チャタレー事件の昭和32年3月13日の最高裁大法廷判決において定義が示されることとなりました。

その定義が「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳概念に反するもの」とされております。

この定義ではわいせつというものは3要件で成り立っているということが言えると思います。①徒に性欲を興奮せしめ、②普通人の正常な羞恥心を害し、③善良な性的道徳概念に反する。

この3要件に該当するものが裁判所によって示されたわいせつ性の定義とされており、このチャタレー事件の判決以降わいせつ性が絡む事件においてはこの判断枠組みが使用されることとなりました。

ですが、少し考えてみるとこの判例において示されたわいせつ性の定義、抽象的過ぎて実際何が当たるのかはよくわからず、また解釈の仕方によってはかなり多くのものに該当しそうなような気がします。

実際に例を挙げるならば、アダルトグッズ等が該当することは、すぐにお気づきになるでしょう。ですが、このようなアダルトグッズはもちろんご存じのように摘発されることはなく、ごく普通に売買されています。

ここからこの事件においてはかなり、警察検察側の恣意的な摘発だったのではないかということも言われていますが、この事件において警察検察側は、今後3Dプリンターの普及によるわいせつ関連事件が増えることも見越してそのような事件に牽制の意味も込めての摘発であるという意見も一部あります。

今後、児童ポルノ改正などの様に表現の自由との衝突を起こす事件は今後増えていくと考えられます。

今技術が進歩し誰でも簡単に創作活動を行え、またネットの普及により表現活動の幅が広がった現在においてこのような表現の自由との衝突が問題となる事件を目を向けることは大切なことなのかもしれません。

この記事の作成者

カケコム編集部