【仏留学の日本人女子大生行方不明】チリ国家検察庁長官、容疑者の引渡を全面協力

フランスに留学中の筑波大学生の黒崎愛海さん(21)が行方不明になり、元交際相手のチリ人男性が国際指名手配されている事件においてチリの国家検察庁長官は日本の薗浦健太郎副外相に容疑者引渡しに全面的に協力すると約束しました。

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チリ国家検察庁長官が容疑者の引渡に関する全面協力を約束 

フランスに留学中の筑波大学3年生の黒崎愛海さん(21)が行方不明となり、元交際相手のチリ人男性が国際指名手配されている事件で、チリのアボット国家検察庁長官は16日、チリの首都サンディエゴでの会談において、日本の薗浦健太郎副外相に容疑者の引渡しに関する全面協力を約束する、と述べたことが明らかになりました。

国際指名手配と犯罪人の引渡し〜今回のケースは?

そもそも国際指名手配とは、国際刑事警察機構ICPOINTERPOLとも呼ばれる)が加盟国の政府を通じ、容疑者や行方不明者を操作する制度です。
 

例えば、A国で犯罪をおかした人がB国に海外逃走した場合、A国にはA国の、B国にはB国の国内法が存在するためA国の警察がB国に入って行って犯罪者を逮捕することはできません。

その場合に犯罪者を逮捕する権限を持つ現地(B国)の警察に協力してもらって犯人を逮捕してもらう必要があります。これが国際指名手配の意義です。 

一般的には事件を起こして海外に逃亡した容疑者を捜索するために行われる制度ですが、容疑者が外国で逮捕された場合、その身柄はどうなるのでしょうか。
 
逃亡犯罪人が逮捕された場合、その容疑者は犯罪人引渡条約の有無と現地の国内法によって、引渡しの可否が検討されます。
 
では今回のケースに当てはめてみましょう。
 

まず犯罪が起きたのはフランスです。そして犯罪を犯した疑いのあるチリ人が逃亡した可能性が高いのは母国であるチリです。

このような状況で容疑者がチリで逮捕された場合、チリ・フランス間の犯罪人引渡条約の有無チリの国内法によって容疑者がチリからフランスへ引き渡されるかどうかが検討されます。 

残念ながらチリ・フランス間には犯罪人引渡条約が結ばれていません。

しかし現地(チリ)の国内法に犯罪者引渡を認めない旨の法律等がなければ、事案に応じて引渡の判断がなされます。

従って今回のように国家検察庁長官が直々に「引渡に全面協力する」と言ったからといって、必ずしも容疑者の引渡が成立するわけではありません。
 
しかし既に日本からチリへの捜査協力要請を終え、好意的に協力する姿勢を見せているチリでありますから、引渡が成立する可能性は非常に高いのではないでしょうか。事件の速やかな収束を祈るばかりです。
この記事の作成者

カケコム編集部