威力業務妨害について~IKEAに爆破予告 買い物客は屋外に避難~

15日夜、大阪市の家具・生活雑貨販売店「IKEA(イケア)鶴浜」に、男の声で、店を爆破する旨の電話があったとのことです。 当時、店には約500人の客がいて、店側の誘導で全員が外に避難したとのことです。

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IKEAに爆破予告 買い物客は屋外に避難

15日午後6時15分ごろ、大阪市大正区の家具・生活雑貨販売店「IKEA(イケア)鶴浜」から「男の声で『店を爆破してやる』と電話が入った」と大阪府警大正署に通報がありました。

警察などによりますと、当時、店には約500人の客がいて、店側の誘導で全員が外に避難したとのことです。

署員・従業員らで店内を1時間ほど捜索しましたが、不審物は見つからなかったとのことです。同署は威力業務妨害の疑いで捜査する方針です。

爆破予告には何罪が成立するの?威力業務妨害罪って?

まず、爆破予告は、特定の個人に対する「生命」や「身体」「財産」に対し「害を加える旨の告知」といえる場合がほとんどだと思われますので、脅迫罪(刑法222条)の成立が考えられます。

今回の事件でも、当然、成立可能性はあるでしょう。ただ、法人であるIKEAそのものに対する脅迫罪は成立しないと考えられている(大阪高判昭和61・12・16高判集39・4・592や高松高判平成8・1・25判時1571・148参照)ことに注意が必要です。あくまで、告知を受けた自然人(かんたんに言えば生きている人のことです)自身の生命や身体などに対する加害の告知に脅迫罪が成立するのです。

脅迫罪に関しては、13日の記事『これって罪になるの?~「デスノートに名前書くぞ」小学校講師が児童に発言』で詳細に解説してありますので、よろしければそちらをご覧ください。

次に、威力業務妨害罪の成立可能性があります。

威力業務妨害罪とは、「威力を用いて人の業務を妨害した者」(刑法234条)を「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」(刑法233条後段)ものです。

ここでいう「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を用いることをいい(最判昭和28・1・30刑集7・1・128)、暴行や脅迫または地位や権勢を利用する行為などを含みます。

今回は爆破予告という脅迫(「威力」と評価できます)によってIKEAの「業務」を妨害するに足る行為をしている(現にIKEAの業務は妨害されているといってよいでしょう)ので、充分、威力業務妨害の成立はあり得るでしょう。

他にも、「威力」とされる行為としては、デパートの食堂に蛇を撒く行為(大判昭和7・10・10刑集11・1519)、議場で発煙筒を焚く行為(東京地判昭和36・9・13判時280・12)、ネットの掲示板に文化センターで開催予定の講座に対し教室を放火するかのような書き込みをした行為(東京高判平成20・5・19東高刑時報59・1=12・40)などがあります。

単なる悪ふざけでは済まされません!!爆破予告はれっきとした犯罪なので、注意しましょう。

 

この記事の作成者

カケコム編集部