未成年者略取誘拐罪について~誕生直後に誘拐の米女性を18年ぶりに発見 育ての親が誘拐か〜

アメリカで19年前に生後すぐにフロリダ州の病院から連れ去られて行方不明となっていた女の子が、そのことを知らないまま成長して別の場所で暮らしているのが見つかり、女の子を育てた51歳の女が誘拐などの罪で訴追されました。

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誕生直後に誘拐の米女性を18年ぶりに発見 育ての親が誘拐か

アメリカで19年前に生後すぐにフロリダ州の病院から連れ去られて行方不明となっていた女の子が、そのことを知らないまま成長して別の場所で暮らしているのが見つかり、女の子を育てた51歳の女が誘拐などの罪で訴追されました。13日にフロリダ州の捜査当局が発表しました。

1998年7月10日に発生した同事件では、病院関係者を装った女が母親に近づき、新生児だったカミヤ・モブリーさんと共に失踪しました。大々的な捜査が行われましたが、行方がわからないままでした。

モブリーさんは以降、サウスカロライナ州の小さな町ウォルターボロで容疑者の女を実の母親と信じ暮らしていたとのことです。

日本ではどんな罪になる?~未成年者略取誘拐罪

まるで小説のような事件ですが、日本で同様の事件が起きた場合は、未成年者略取誘拐罪を定める刑法224条の適用が考えられます。

日常生活では、人を連れ去ることを一括りで「誘拐」と言ったりしますが、法律上は「略取」と「誘拐」に区別されます。

このうち「略取」とは暴行や脅迫を手段として、他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己または第三者の事実的支配下に置くことをいいます。

一方で、「誘拐」は、欺罔(簡単に言えば人をだますこと)・誘惑(欺罔には至らないが、甘言を用いて相手の判断の適正を誤らせること)を手段として上記の行為を行うことをいいます。

「略取」か「誘拐」かは、事件の具体的な事情によって使い分けられますが、224条の場合はいずれも「一年以上十年以下の懲役」に処されます。

ここで注意すべきは、一口に「誘拐」といっても、刑法上さまざまな類型があることです。たとえば、営利目的やわいせつ・結婚目的、生命身体加害目的(生命身体加害目的は、たとえば、営利性を伴わない臓器の摘出の目的などを想定しています)で略取・誘拐を行えば、未成年者を誘拐した場合であっても、224条ではなく225条(営利目的等略取及び誘拐)のみが成立します。それぞれの類型によって違う条文が適用され、刑が重くなったりします。

非常に細かく類型化されており、ここでは書ききれないので、興味がある方は刑法典(224条から229条)を実際に読んでみてください。

いかがでしたか?意外と知られていない「誘拐」についてでした。

この記事の作成者

ジコナラ編集部