「ひき逃げ」の法的意味~ひき逃げ容疑でペルー人逮捕〜

ひき逃げをしたとみられる車両が捜査途中に盗まれた事件で、軽乗用車を運転中に原付きバイクと衝突して運転手にけがをさせて逃走したとして、愛知県警は、13日、住所職業不詳のペルー人の男を逮捕しました。愛知県警は今後窃盗事件との関連も調べるとのことです。

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愛知県港署がひき逃げ容疑でペルー人逮捕

軽乗用車を運転中に原付きバイクと衝突して運転手にけがをさせて逃走したとして、愛知県警港署は、13日住所職業不詳でペルー国籍の男(28)を自動車運転死傷処罰法違反(無免許過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕しました。港署によれば、容疑を認めているそうです。
 
港署によると、男は11日午後6時10分ごろ、名古屋市港区川西通2丁目の県道交差点で、軽乗用車を運転中に同市天白区の男性会社員(24)の原付きバイクと接触し、男性の右足にけがを負わせ、逃げた疑いがあります。

 この事件にかんして、車は現場近くで見つかり署員が管理していましたが、署員が約10分間トイレに離れたすきに盗まれ、約7時間後に再発見されたという経緯もあります。今後、窃盗事件との関連も調べるとのことです。

ひき逃げって何罪になるの?~ひき逃げの法的意味~

今回の事件はさまざまな事実が組み合わさっていますので、まずは事案を分解していきましょう。

男は①自動車運転死傷処罰法違反(正式には「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」といいます)と②道路交通法違反の疑いで逮捕されていますが、主にひき逃げで問題となるのは②の方です。

法律上「ひき逃げ」という言葉はありませんが、道路交通法72条は、「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員…(中略)…は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」と定めており、いわゆるひき逃げは、この「救護義務」違反に該当します。

また、先の条文に続いて道交法72条は「この場合において、当該車両等の運転者…(中略)…は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署…(中略)…の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。 」とも定めており、110番通報等をしなければ、この「報告義務」にも違反することとなります。

これが主にひき逃げで問題となる法律違反です。状況によっては刑法犯(単純遺棄罪や保護責任者遺棄罪など)も含め、ほかの犯罪が成立することもありますが、ここでは省略いたします。

では、①の自動車運転死傷処罰法違反(無免許過失運転致傷)とは何でしょうか?

これは、事故後に逃げなくとも、交通事故を起こして相手にケガを負わせた時点で成立するものです。具体的には、同法5条が定める「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」に当たり、処罰されることとなります。

また、無免許運転の場合は罪が重くなると定められています(同法6条)。今回のペルー人はおそらく無免許で運転をしており、その点を反映して無免許過失運転致傷となっているのでしょう。

なお、今回は窃盗事件との関連も調べられるとのことですので、その点も法律上さまざまな問題が生じ得ます。しかし、現段階で関連性は不明とのことですので、今回は書かないこととします。

いかがでしたか?怖くて逃げてしまった…では済みません!事故を起こした後に適切な措置をとることも必要ですが、まずは事故を起こさないように、日頃から安全運転に気を付けましょう!!

この記事の作成者

カケコム編集部