養育費の増額はできる?増額する手順と相手が応じてくれないときの対処法!

養育費の増額ができることを知っていましたか?養育費の額は離婚時に決められますが、大学進学等を理由として、子供を育てる過程で養育費として必要な金額が変わることもあるからです。今回は養育費の増額方法とそれに応じてくれなかったときの対処法をご紹介します。

目次

養育費の増額できる場合があります!


大学進学等による養育費の増額は可能ですが、どの程度増額するか等の細かな部分を離婚した当事者同士で話し合っても、思うように意見がまとまらないことがあります。
 
お金の問題は当事者同士で話し合うと、余計にもつれる場合が多く、養育費の支払い拒否につながることもあります。
 
そのようなときは弁護士への相談も視野に入れ、養育費の増額に対応するべきでしょう。
 
以下では、大学進学等を理由として養育費の増額を求める場合の具体的な手順について、ご説明いたします。

養育費の増額の手順 

養育費の増額をするためには、まずは当事者間で話し合いをし、そこで意見がまとまらない場合は調停や審判へ進みます。

養育費増額の手順(1) まずは話し合う

養育費は非監護者から観護者に支払われますが、あくまで子供の養育のための資金として使われます。
 
そして、大学進学を含めた子供の育て方は、原則として両親で話し合って決めていくべきものです。
 
そのため、養育費の増額についても、まずは両親で話し合う必要があるでしょう
 
養育費を増額する理由を説明し、話し合いで合意を得ることができれば一安心です。
 
しかし、時には、話し合いだけでは合意に至らない場合があり、支払い拒否の問題も起こります。

養育費増額の手順(2) 内容証明郵便を送る

養育費の増額について、話し合いで合意を得られなかった場合、内容証明郵便を送ります
 
内容証明郵便を送ることで、養育費の増額を求めた証拠を作ることができ、正式な手続をとる覚悟と用意があることを相手に伝えることができます。
 
養育費を増額することに対して真剣だということが伝わり、相手方も増額を真剣に検討してくれるのです。

養育費増額の手順(3) 拒否されたら、調停・審判へ

しかし、養育費を増額すると、相手方の経済的負担も高くなり、支払いを拒否される場合もあります。
 
内容証明郵便の送付をしても、それが受け入れられるとは限りません。
 
相手が養育費の増額を拒否した場合は、最終的には調停や審判の手続をとることになります
 
養育費の増額が認められるかどうかやその額について、最終的な結論を出すことができます。

養育費増額の手順(4) 拒否されずに養育費の増額が認められたら、公正証書にする

調停手続きをとる前に相手方が増額に応じた場合には、その結果を公正証書にして残しましょう。
 
公正証書にすることで、相手方が養育費の支払いを拒否した場合、裁判を経ることなく強制執行を行うことが可能となります。
 
ここまですることで、子供の大学進学等に必要な資金をしっかりと確保することができるわけです。

養育費増額の認められやすい理由とは?

では、具体的にどのような場合に養育費の増額が認められるのでしょうか。

養育費増額が認められやすい理由(1) 子供の大学進学など、学費の増加 

養育費の増額が認められる代表的な場合が、子供の大学進学に際し、教育費として必要な額が増加するときです
 
昨今は大学進学率も高いため、大学進学を理由として養育費の増額がなされることが非常に多くなっています。
 
大学進学をするのが国立か私立かによっても、具体的に増額される養育費の額は変わります。

養育費増額が認められやすい理由(2) 子供が怪我や病気にかかってしまった

子供の大学進学と並んで、養育費の増額が認められるのが、子供がけがや病気をして長期にわたり一定額の支出が必要となったときです
 
大学進学と同じように、子供に怪我や病気があった場合、離婚をしていなければ当然に両親の負担で費用をまかないます。
 
離婚後であっても、子供の治療費を両親が負担するのは当然のことで、養育費の増額も認められます。

養育費増額が認められやすい理由(3) 自分が病気になったり、会社が倒産し収入が減少した 

また、病気や会社の倒産により、親権者の収入が大きく減った場合も、養育費の増額が認められることがあります
 
しかし、これと同様に、非監護者の収入が大きく減った場合は、養育費が減額になる可能性もあります。
 
養育費は両親の収入のバランスを考慮し、決められるのです。

養育費の増額に応じてくれないときはどうすればいいの?

養育費の増額につき合意がなされたり、調停や審判を経て増額が認められても、相手方が支払いを拒否する場合があります。
 
そのようなときは、下記の手続をとります。

養育費の増額に応じてくれないときの対処法(1) 相手にちゃんと増額するよう連絡し、内容証明郵便を送る

相手が養育費の増額を拒否する場合であっても、第一の手続としては相手方との話し合いを通じた交渉をすべきでしょう。
 
増額に応じるよう連絡し、内容証明郵便を送ることで相手方に対して、真剣な意思表示を行ってください。
 
これだけで素直に相手が支払いを行う場合も少なくありません。

養育費の増額に応じてくれないときの対処法 養育費の増額強制執行する(1) 直接強制 

内容証明郵便を送っても養育費を支払いを拒否する場合は、民法414条1項に基づき強制執行という強制力のある手続を行う必要もあります。
 

強制執行の手段の1つである直接強制では、相手方の給与の一部を差し押さえる等の手段を用いて、養育費の支払いを強制的に実現することができます。<民法414条の条文は2017年現在。民法・債権分野の改正により、2020年頃から414条の条文は一部変わります。>

差押えができるといっても、相手の預金口座の金融機関・支店や職場等は自分で調べる必要があるため、注意が必要です。

(履行の強制)
第414条
1 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

養育費の増額に応じてくれないときの対処法 強制執行する(2) 間接強制

強制執行の手段としては、直接強制のほかに間接強制というものもあります。
 
これは、相手方が養育費の支払いを拒否している間、1日ごとに決められた罰金を課していくものです
 
罰金による心理的な負担を利用して、支払いを行わせるのが間接強制です。
 
しかし、間接強制を利用しても相手方が支払いを行わない場合は、最終的には直接強制を行い、支払いを実現させる必要があります。

養育費にも遅延損害金は発生します

また、相手方の支払いを拒否した場合、遅れた分の金額については遅延損害金が発生します。
 
遅延損害金の利率に関しては、養育費を定める時に同時に定められることが多いですが、仮に定めていない場合は、年5%となります。<2017年8月15日現在では、法定利息は5%ですが、民法・債権分野の改正により、2020年頃から年率3%に変わります。> 

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養育費の増額はできる?増額する手順と相手が応じてくれないときの対処法!のまとめ 

養育費の増額は、お金が絡むシビアな問題です。
 
しかし、増額される養育費は大学進学など子供の成長に必要なものです。
 
養育費の増額は、大学進学ができるかなど、子供の進路や人生に大きな影響を与えます。
 
そのため、離婚した両当事者の関係の悪化を恐れず、増額されるべき養育費はきちんと増額されるべきです
 
養育費の増額で過度に揉めることを避けるためには、内容証明郵便を発送する段階から弁護士に相談しておくのがよいでしょう。
 
養育費の増額に関しては、遅延損害金の利率の取り決め、調停および審判への対応、支払い拒否への対尾と様々な場面で弁護士の助力が必要となります。
 
養育費の増額が必要となる事情が生じた時点で弁護士に相談しておくことで、最終的にしっかりと増額した養育費を受け取ることが可能となります。

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この記事の作成者

カケコム編集部