離婚訴訟の訴状の書き方|離婚調停が不成立だった方、離婚裁判の提訴を考えている方のために解説!

離婚裁判を考えていても、離婚訴訟の訴状の書き方など、わかりにくいことばかりではないでしょうか。ここでは、そもそも離婚裁判の訴状とは、離婚裁判の訴状の書き方などについてご紹介します。

目次

調停が不成立…離婚裁判を考えているけど、離婚訴訟の訴状はどうやって提出する?

離婚には、協議離婚、調停、離婚裁判といった種類があります。
 
まずは夫婦間の協議(話し合い)によって離婚、それでだめなら間に家庭裁判所の調停委員を入れての離婚調停の手続きを行っていくことになります。
 
そして、その調停でもだめなとき、離婚するためにはもう離婚裁判しかありません。
 
離婚裁判をするとなれば、裁判のスタートを切るために、「訴状の提出」の準備を始めていかなければなりません。
 
今回は離婚裁判の訴状とはどのようなものか、そして訴状はどのように書くかを紹介していきます。

そもそも、離婚裁判とは?

離婚裁判を考えているけど、離婚裁判についてまだよく知らないから不安…そんなお悩みを解決しましょう。

離婚調停が不成立になっていなければ離婚裁判はできない(家事事件手続法257条1項・244条)

家事事件手続法257条1項は「244条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。」として、調停前置主義を定めています。
 
家事事件手続法244条によると、「家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。 」とあります。
 
離婚訴訟は「人事に関する訴訟事件」であり、かつ別表第1には「離婚」は入っていませんから、離婚事件にも調停前置主義が適用されます。
 
つまり、離婚調停で不成立となっていなければ、そもそも離婚裁判を起こすことはできないのです。

民法上の離婚事由がなければ離婚が認められない

協議離婚の場合、夫婦が互いに話し合い、同意が得られれば離婚は可能です。
 
しかしながら、互いの同意が得られなかった場合、民法770条1項に定められた離婚事由に該当しない限り、離婚は認められません。
 
民法770条1項による離婚事由は、以下の通りです。

民法770条1項

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

 配偶者に不貞な行為があったとき。
二  配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三  配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四  配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五  その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

民法上の離婚事由があれば相手が離婚に同意していなくても一方的に離婚ができる

日本の離婚の大部分を占める、協議離婚や調停離婚においては一方が離婚に同意していなければ離婚ができません。
 
しかし、民法770条1項の離婚事由が配偶者にある場合には、配偶者の同意なくして離婚することが可能です。
 
一方的に離婚請求できるというのが、離婚裁判の最大の特徴です。
 
離婚のための条件については、離婚するための条件を知ろう!〜協議離婚・調停離婚・裁判離婚をするための条件〜も参考にしてみてください。

離婚訴訟の訴状について

離婚訴訟を起こす場合、手続き上、訴状を提出しなければなりません。でも、訴状って一体どうやって作成すればよいのでしょうか。

離婚訴訟の訴状とは|訴状を提出しなければ離婚裁判は始まらない

民事訴訟法133条1項では、第一審の訴訟手続きとして、以下のように定められています。
民事訴訟法133条1項  訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。
つまり、離婚訴訟を起こす場合でも、訴状を裁判所に提出しなければ、離婚裁判を始めることはできないということになります。
 
訴状の提出が、裁判の開始の合図になるわけです。

離婚訴訟の訴状の記載事項

同じく民事訴訟法133条2項では、離婚訴訟における訴状について、以下のように定められています。
 

民事訴訟法133条2項

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 当事者…
 請求の趣旨及び原因
 
すなわち、あなたの氏名、離婚判決を求めること、離婚事由を記す必要があるとされています。
 
とはいえ、条文を見ただけでは抽象的すぎて、実際にどのように書けばよいのか分かりにくいでしょう。
 
ご安心ください。裁判所は離婚訴状のテンプレートを用意してくれており、実際にはテンプレートの記入例通りに記載すれば訴状提出ができる仕組みになっています。

離婚訴訟の訴状の例

裁判所では、以下のような離婚訴状のテンプレートをホームページに記載しています。
 
テンプレートを見る時間のない方向けに簡単に記載内容をまとめると、以下のようになります。
 
【表】
  • 原告の基本情報(本籍、住所、氏名、送達場所等の届け出)
  • 被告の基本情報(本籍、住所、氏名)
  • 添付書類(戸籍謄本、年金分割のための情報通知書、証拠申出書など、必要に応じてチェックを入れる)
【裏】
  • 親権者の指定(子どもの生年月日、親権者は原告か被告か)
  • 慰謝料について(被告に対する慰謝料金額の指定)
  • 財産分与(被告に対する財産分与の際に支払われる金額の指定)
  • 養育費(いつからいつまで子一人につきいくらの慰謝料を支払わせるのかの指定)
  • 年金分割(按分割合の指定)
  • 請求の原因(調停の事件番号、結果、理由、離婚の原因)

離婚訴訟の訴状提出についての注意点

離婚訴訟には知らないと損をすることがたくさんあります。自分だけで訴状を作成・提出するには穴があるかもしれません…。

自力で提訴しようとすると、相手が代理人弁護士を付けてきたとき、知識的に不利になる

あなたが自分の力だけで離婚訴状を作成し、提出したとしても、配偶者側が代理人として弁護士をたててきた場合、あなたが法の専門家でない限り、知識的・経験的にかなり不利な状況に陥るでしょう。
 
相手は弁護士です。あなたが法律の素人の場合、立て続けに法律の専門用語が飛び交う中で、対等に渡り合うことは難しいかもしれません。

自力での提訴は時間や体力を消費することに注意

あなた一人で離婚訴訟を起こす場合、実際の訴状の作成の手間だけではなく、記載内容の法的な整理や、自分に有利になる書き方の勉強などに、時間と労力を非常に消費します。
 
結婚する時よりも離婚する時のほうが疲れるという話はよくききますが、離婚裁判の場合は協議・調停離婚の比ではないくらいに疲れ切ってしまうことが予想されます。

訴訟の専門家はやはり弁護士

あなたにいくら離婚に対する強い意思があったとしても、訴訟は意思だけでは行えません。
 
訴訟の専門家はやはり弁護士です。
 
訴訟代理人は弁護士しかできませんから、あなた一人で戦うことに少しでも不安を感じたら、離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

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離婚訴訟の訴状の書き方|離婚調停が不成立だった方、離婚裁判の提訴を考えている方のために解説!のまとめ

離婚裁判では、訴状の他にも裁判へ出席するというだけで頭と心のエネルギーを非常に消耗します。
 
あなた一人で戦って、相手が代理人弁護士を立ててきた場合、せっかく提出した訴状で歯が立たないという可能性も0ではありません。
 
万全を期し、離婚問題に強い弁護士に相談・依頼し、必要があれば依頼することも考えましょう。
 
あなたにとってのゴールが離婚なら、それに向けて訴状から苦労するよりも、プロの弁護士の力を借りることで、より確実に離婚が可能になるでしょう。
この記事の作成者

ジコナラ編集部