非嫡出子の相続について|非嫡出子の相続分と非嫡出子の相続で起こりやすいトラブル

非嫡出子がいるときの相続は、どうなるの?と不安に思う方もいるでしょう。結婚していない男女の間に生まれた子を「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」といいます。相続を受ける権利はあるのか、どういった問題があるのか?非嫡出子に関する相続の権利や問題について詳しく紹介したいと思います。

目次

非嫡出子の相続分ってどうなるの?その不安解決しましょう!

最近では事実婚も増加しており、また、実は隠し子が存在したというケースも珍しいものではなくなりました。そんなときに問題になるのが非嫡出子の相続についてです。

通常の相続であっても、相続はすんなりと終わらないもの。非嫡出子がいる親族間では、さらに難しい問題が生じる可能性もあります。

そもそも相続できるのか?相続分はどうなるのか?どういったことに気をつければいいのか?など、気になることが多いですよね。一つ一つ解説していきます。

非嫡出子の相続は民法一部改正により平等になりました!

 
平成25年に、民法が一部改正する法律が成立すると同時に、嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同じになったのですが、そもそもこの2つにどのような違いがあるのでしょう? 

【非嫡出子の相続】民法改正による変化(1) 嫡出子と非嫡出子とは?

嫡出子と非嫡出子が一体どのように違うのか、分からないという人もいると思います。

嫡出子というのは、結婚している男女の間に生まれた子どものことで、非嫡出子というのは、先ほども言った通り結婚していない男女の間に生まれた子どものことを言います。

簡単に言うと、結婚している夫婦の間に生まれた子か、そうでないかということです。

【非嫡出子の相続】民法改正による変化(2) 嫡出子と非嫡出子の相続分の違い

民法が改正される前までは、同じ母親のおなかから生まれた子どもであっても、相続分に大きな違いがありました。

同じ子どもであるのに、不公平が生じていて平等原則(憲法14条)に反するのではないかという訴訟が起き、ついに平成25年の9月に最高裁判所の判決で、民法改正によって相続分が変わりました。

嫡出子も非嫡出子も、同じ割合で相続することが出来るようになったのです。

【非嫡出子の相続】民法改正による変化(3) 具体的な相続分の割合例

民法改正によって、具体的に相続分の割合はどれぐらい変化したのでしょう?

もともとは、非嫡出子の相続割合は、嫡出子の2分の1とされていました。

そうなると、相続金額にかなりの違いが出てくるようになります。

ですが、今では非嫡出子の相続割合は、嫡出子の2分の1と定められた部分が削除されて、どちらも同等の相続を受けられるようになっています。

 非嫡出子の相続って可能なの?

非嫡出子の相続は特にややこしく、分からないことが多いと思います。中でも多い疑問について紹介していくので、参考にしてみてください。

非嫡出子の相続分は遺言によってどう変更できるか?

非嫡出子の相続分は遺言によって変更することができるのでしょうか?

遺言というのは、亡くなった方の意思を唯一伝えることができる方法です。

そのため、被相続人が亡くなる前に、遺言書を書き遺していて、相続の方法を指定しているのであれば非嫡出子の相続分を変更することは法律的には可能です。
 
具体的には、相続分を減らしたり、増やしたりすることもできます。
 
しかし、遺留分(民法1028条)という一定の相続人が最低限相続できる財産があるため、非嫡出子にまったく相続分を与えなかったり、非嫡出子に全ての財産を相続させるというのは、遺留分減殺請求がされなかったり、遺留分の放棄がない限り難しいでしょう。

非嫡出子の相続は一般的に行われているのか?

まわりに非嫡出子の相続をしたという人は、あまり聞かないという人もいるでしょう。

確かに、日本では非嫡出子に該当する子どもは少なく、非嫡出子の相続が行われることはあまりありません。

一般的に行われているとは言えませんが、それでも相続問題のケースとして発生しているのは事実です。

他人事ではないので、どういったものなのか知っておいて損はないと言えるでしょう。

非嫡出子が幼い子どもでも年齢に関係なく相続できるか?

これは非嫡出子に限ったことではありませんが、相続人が未成年の幼い子供の場合、何の問題もなく遺産を相続することはできません。
 
この場合、遺産分割協議では親権者が子を代理します。

ただ、未成年の子供が複数いる場合や親権者も相続人になる場合には、特別代理人を選任しなければならないことに注意が必要です。

非嫡出子の相続で起こりやすいトラブルの例

相続をするときに、非嫡出子がいるとトラブルが起こるケースが多いです。
非嫡出子を認知していなかった場合、とくに大きなトラブルが起こる可能性があります。

非嫡出子の相続で起こりやすいトラブルの例(1) 遺産分割協議後に非嫡出子が認知された

死後認知は可能であり、遺産分割協議後に非嫡出子が認知されることもあり得ます(民法787条但書)。
 
そのような場合は、遺産分割の再協議は必要ありませんが、民法910条に基づき、価額によって遺産の分割をしなければなりません。
民法787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父…の死亡の日から3年を経過したときは、この限りでない。
民法910条 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人がすでにその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

非嫡出子の相続で起こりやすいトラブルの例(2) 被相続人の死亡前に認知されていた非嫡出子が、遺産分割協議後に現れた

民法910条の規定から、被相続人の死亡前に認知されていた非嫡出子がいた場合には、価額の支払いだけでは足りません。
 
被相続人が亡くなる前にすでに認知されていた非嫡出子がいたにもかかわらず、その存在を知らず、遺産分割協議を行ってしまった場合で、その非嫡出子が後から現れた場合には、その非嫡出子を含めて再度遺産分割協議をする必要があります。 

非嫡出子の相続で起こりやすいトラブルの例(3) 親族間に非嫡出子に相続をさせたくない人がいる

突然現れた、非嫡出子に相続をしたくないという人も多く、それが原因でトラブルになることも少なくありません。
 
ですが、認知された非嫡出子と被相続人とは法律上の親子なのですから、欠格事由などがない限り、他の相続人が相続させないなどと決められるものではありません。

非嫡出子の相続で起こりやすいトラブルの例(4) 相続分の量に不満がある

配偶者や実子からすると、これまで一緒に暮らしてきたのは自分たちなのに、突然現れた非嫡出子に同じ割合で遺産が分割されるのは納得いかないということも出てくるでしょう。
 
しかし、逆に、血のつながった親と一緒に暮らせてこれなかった非嫡出子の気持ちにも配慮しなければなりません。

非嫡出子の相続によって生じたトラブルの解決方法

非嫡出子にも相続分を分割するのは辛いかもしれませんが、法律上でも非嫡出子にも遺産をもらう権利はあります。相続トラブルを避けるために、何ができるのか知っておきましょう。

非嫡出子の相続でのトラブルの解決方法(1) 非嫡出子がいないか調べる

遺産分割協議後に非嫡出子がいることが発覚すると、トラブルが起こりやすくなります。

遺産分割協議前に認知された非嫡出子がいないかどうか調べる必要があります。

被相続人の戸籍に認知の事実が記載されていますので、取り寄せた戸籍を確認しましょう。
 
また、結婚・離婚・転籍などにより戸籍が作り変えられる場合には、認知の事実は新しい戸籍には記載されません。
 
したがって、被相続人の過去の戸籍をさかのぼってしらべなければなりません。

非嫡出子の相続でのトラブルの解決方法(2) 遺言書を残すことで相続争いは未然に防げる! 

突然、非嫡出子が出てくると、遺産を渡したくないという思いが出てくるのも当然だと思います。

ですが、被相続人が亡くなってから相続争いをするのも辛いですよね。

それを防ぐためにも、遺言書を亡くなる前に書き残してもらうという方法があります。

事前に遺言の分割方法を指定していれば、トラブルが起こる可能性を低くすることができます。

非嫡出子の相続でのトラブルの解決方法(3) まずは相続問題に強い弁護士に相談を

特に非嫡出子がいる相続の場合、権利関係が複雑で考えてもよく分からない・・・という人がほとんどでしょう。

また、非嫡出子の相続トラブルが起こった場合、自分たちだけで話し合っていてもなかなか解決することができません。

相続問題に強い専門家に相談する事で、あなたの立場も相手の立場を考えた上での整理・交渉から法的な効力をもつ正しい遺言書の作成まで、様々な場面で力を貸してくれます。
 
遺産相続の問題は包括的に解決してくれる専門家である弁護士に相談することをおすすめします

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【非嫡出子と相続】非嫡出子の相続について詳しく解説します!のまとめ


今回は、非嫡出子の相続についていろいろと紹介してきましたが、いかがでしたか?

非嫡出子は相続することが出来ないと思っている人もいるかもしれませんが、認知をもらっていれば相続することは可能です。

何かと複雑な非嫡出子の相続問題は弁護士に相談しましょう。
この記事の作成者

カケコム編集部