公正証書って何?公正証書はいつ必要?公正証書作成の手続き・方法は?

公正証書を離婚のときに作った方がいい」といわれることが多々ありますが、公正証書が何なのかよくわからない人も少なくないでしょう。 今回は公正証書について解説します!

目次

公正証書って何?どういう場合に使えばいいの?

離婚や契約の際に使われる公正証書。
 
公正証書という言葉はよく聞くけれど、どのように使えばいいのかわからない。
 
では、公正証書はどういう場合にどのように使われるのでしょうか? 

公正証書とは

公正証書とは、法務大臣に認定された公証人が作成する文書のことです。公証人には法律の専門家で、公正・中立な人が選ばれるとされています。

公正証書とは(1) 当事者の合意をもとに公証人が作成した書面

公正証書とは、公証人が当事者の合意をもとに作る文書のことで、両当事者(代理人も可能)が立会い、公証人によって作られるものです。
 
ここで注目すべき点は、両当事者(代理人)が立ち会って、公証人によって公正証書が作られるので、両当事者の合意が必須となります。

公正証書とは(2) 強制執行ができるという強い効力(執行力)を持つ証書

お金の貸し借り・養育費を定める公正証書は、「強制執行認諾文言」がある場合には執行力を持ちます。
つまり、その公正証書をもとに強制執行をかけることができるということです。
通常、強制執行をするためには調停や裁判を行う必要があるのですが、このような公正証書を作成していた場合にはその過程をショートカットできることになり、これが公正証書の最大のメリットの一つといえます。
ただし、公正証書で定めたすべての内容につき強制執行できるわけではない点には注意が必要です。

公正証書は強い証拠力を持つ

公正証書は公証人が作成し、原本を公証役場で20年間保管するので、改ざん・変造等の心配がありません。
 
また公正・中立な公証人が両当事者立会いのもとで作成するので、本当に本人が作成したのか、きちんと合意を反映しているかなどについても強い証拠力をもつとされます。

公正証書が有効な場面

公正証書についてはわかって頂けたかと思います。では、公正証書はどのような場面でどれほど有効なのでしょうか。

公正証書が有効な場面(1) お金の貸し借り(金銭消費賃借)

公正証書が用いられる場面で多いのがお金の貸し借り(金銭消費賃借) の場合です。
 
金銭消費賃借契約の場合には、いくら(金額)をいつまで(弁済期限)に、どれくらいの利率で返すのか、遅れた場合の遅延損害金、強制執行について公正証書に記すことが多くあります。
 
なぜわざわざお金の貸し借りに公正証書を使うのかというと、強制執行について公正証書に記載すると、貸した側は、借りた人がお金を返さない場合などに、調停や裁判をしなくとも強制執行ができるようになるからです(執行証書 民事執行法22条5項)。
 
この強制執行の合意の記載部分を「強制執行認諾文言」又は「強制執行認諾約款」といいます。
民事執行法22条
五  金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)

公正証書が有効な場面(2) 遺言

公正証書は遺言に使われることも多いです。
 
これは公正証書遺言は変造・紛失の危険性がなく、家庭裁判所の検認も不要で、故人の意思を証明する強い証拠ともなるからです。
 
公正証書遺言作成の方式は、
  1. 証人二人以上の立会いのもとで
  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し
  3. 公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、または閲覧させ
  4. 遺言者および証人が、筆記の正確なことを承認したのち、各自これに署名押印する
  5. そして、公証人がその証書が以上の方式にしたがって作ったものである旨付記して、これに署名押印する。 

であり、極めて厳格です。

遺言の場合には、20年を超える保管も可能です。

民法969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

公正証書が有効な場面(3) 離婚

近年では、離婚についても公正証書が用いられるようになってきました。
 
離婚で公正証書を作成する理由としては、慰謝料について合意したことを証明する、養育費についての合意を守らせるなどがあります。
 
民事執行法151条の2で、養育費や離婚給付といった金銭的なものについては、期限が到来する前の将来の債権についても強制執行をかけることができます。
民法151条の2  債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても、債権執行を開始することができる。
一  民法第七百五十二条 の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
二  民法第七百六十条 の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
三  民法第七百六十六条 (同法第七百四十九条 、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
四  民法第八百七十七条 から第八百八十条 までの規定による扶養の義務 

公正証書の作成の手続き・方法

ではいざ公正証書を作るとなったら、どのように作るのでしょうか。

公正証書の作成の手続き・方法(1) 法律関係を整理・相手と明確に合意する

公正証書を作る際には、事前に両当事者間で法律関係を整理し、相手と明確に合意しなくてはなりません
 
公正証書は両当事者の合意をもとに、公証人によって作成されるので、合意がなされていないと、そもそも作成ができません。

公正証書の作成の手続き・方法(2) 公証人との協議→公証役場への出頭

公正証書を作成する前に、公正証書にしたい文書を公証人のもとへ持っていき、法的に有効かなどのチェックをしてもらいます。

そしてそのあとに両当事者が公証役場に出頭し、公正証書を立会いのもとで作成してもらいます。

公正証書の作成の手続き・方法(3) 法律関係の整理は専門家である弁護士に依頼すべき

公正証書は強い証拠となり、執行力も持つ場合があるため、あなたに不利なことを書いてしまったら、大変なことになります。

逆に、自分が強制執行をかけようと思ったときに、内容に不備のある公正証書しか作成していなかったら意味がありません。

公正証書に記載する法律関係の整理は、離婚や金銭トラブルに強い弁護士へ依頼するのがおすすめです。

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公正証書って何?公正証書はいつ必要?公正証書作成の手続き・方法は?のまとめ

公正証書は20年間保管され、かつ、有力な証拠となる文書であり、一定の場合には執行力も持ちます
 
せっかく公正証書を作っても、内容について不備があったら後々困ることになります。
 
公正証書作成後に後悔したりすることがないよう、公正証書を作成する前には、弁護士に相談するのが良いでしょう。
  
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この記事の作成者

カケコム編集部