事実婚って実際どうなの?!〜事実婚を知り結婚の形を考える〜

最近では事実婚という形で婚姻関係を結んでいる人も少なくありません。普通に生活しているなら良いけれど問題が起こった時、心配という人もいます。この事実婚というのは、法律的にはどのような婚姻なのか、どんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

目次

事実婚って・・・?結婚の形の一つである事実婚その実態とは!

 

一昔前だと、内縁関係と一般的に呼ばれたいた婚姻関係ですが、女性の社会進出率の向上と共に名字の変更に仕事上の支障があるとし選ぶ人も増えてきて、聞こえの良い「事実婚」という呼び名が一般的になってきました。

この事実婚というのは、同棲の延長線上にあるものと考えると、

  • 法律的に拘束効果もないのではないか、
  • いざという時行政の支援が受けられないんじゃないか

と不安に思っている人も少なくありません。

事実婚とはどんなものなのか、一度きちんと理解してみましょう。

事実婚とはどんな形の結婚なのか知りましょう

 

事実婚というのは婚という文字が使われていることから、結婚のひとつの形ということはわかります。

でも、実際にはどのような結婚を事実婚と呼ぶのでしょうか?

事実婚とは(1) 籍を入れない事実上の結婚

具体的に事実婚を選ぶ人の多くは、夫婦別姓を望む人でしょう。

日本は世界でも少ない戸籍制度を今でも守っている国です。

法律では夫婦の別姓は認められていません。

そこで必要になってきたのがこの籍を入れずに事実上の結婚生活を選ぶという事実婚の存在なのです。

事実婚とは(2) フランスでは半数以上のカップルが事実婚を選択?

ユニオンリーブスと呼ばれる海外の事実婚。

特にフランスではその率が高く、子供の出生で見た場合、2008年の統計ではその52%が夫婦関係外で生まれた子供、いわゆる日本の法律では非嫡出子と呼ばれる婚外子なのです。

日本でも最近は多い事実婚ですが、海外ではすでに浸透しつつある新しい結婚の形でした。

事実婚とは(3) 法律上は夫婦と認められない

事実婚はポピュラー。

しかし、それは海外での話です。

日本では、戸籍制度を採用しているため事実婚はあくまでも事実婚という呼び名であり、法律的には夫婦とは認められていないのです。

民法では、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」とされており、夫婦別姓を求めた事実婚は民法的には夫婦とは呼べないということを示しています。

事実婚に認められる効果|民法によって定められている効果があります

事実婚に認められる効果(1) 同居・協力・扶助義務

事実婚の効果による判例は「民法752条が類推適用される(東京控判昭7・3・29)」という同居・協力・扶助義務に関するものがありました。

これは、事実婚でも法的手段を踏んだ結婚と何ら変わりなく、それに背いたパートナーに対してもう一方から法的に訴え、それを罰することができるということになるのです。

事実婚に認められる効果(2) 日常家事の連帯責任

日常家事の連帯責任と言われると、事実婚は家事を双方で行わなければいけないの?と感じてしまう人もいるでしょう。

しかし、これは民法第761条のことであり、日常家事とは第三者に対する連帯責任についての法律です。

例えば、事実婚の一方が騒音問題で隣人とトラブルを起こしたとき、その責任はもう一方にも追求できるということになります。

事実婚に認められる効果(3) 財産分与と不当破棄への慰謝料

事実婚の夫婦が別れる時は、民法768条が類推適用される(最決平12・3・10民集54巻3号1040頁傍論)ことになり、財産分与が認められています。

また、事実婚は順婚姻制度として見られることも多く、不当破棄に対する慰謝料請求も認められています(最判昭33・4・11民集12巻5号789頁)。

事実婚に認められる効果(4) 貞操義務、婚姻費用の分担義務

事実婚でも生活費の分担について、法律的な婚姻関係と同様に民法760条に準じる(最判昭33・4・11民集12巻5号789頁)とされています。

また事実婚の間柄であっても貞操義務が認められ、浮気をした相手に対して裁く権利があるとされます。(大判大8・5・12民録25輯760頁)

事実婚に認められる効果(5) 帰属不明財産の共有推定

財産分与にも関係しますが、法律婚では結婚したあとに出来た財産を夫婦共有の財産とします。

これが帰属不明財産の共有と言いますが、事実婚の関係であってもこの帰属不明財産の共有推定が認められる効果としてあります。

これは事実婚であっても民法762条2項が適応されることとなります。

事実婚のメリット

 

法律の難しいお話が続きましたが、ここからは事実婚のメリットについて見ていくことにしましょう。

事実婚のメリット(1) 夫婦別姓が可能

事実婚の最大のメリットであり、事実婚を選ぶ人が増えた理由としても、この夫婦別姓が名乗れるというのが何と言っても強みですね。

法律婚である場合、多くが女性側が男性側の戸籍に入り、その結果名字が変わってしまいます。

これによって、以前にお付き合いのあった人と連絡が取れなくなってしまう場合が起こってくるのです。

それを回避したいと思う人が増えていることから、事実婚が選ばれています。

事実婚のメリット(2) 別れても戸籍に残らない

事実婚のメリットとして、別れたあとでも戸籍に残らないというものがあります。

その後出会った結婚相手の家柄が良い場合、このような過去の婚姻関係にもこだわる家もあるでしょう。

このように、結婚をやり直したいけれど戸籍に傷をつけたくないという人には、向いている婚姻方法と言えます。

 事実婚のメリット(3) 平等で良い関係を保つことができる

これは海外の事実婚を選ぶ人に多い理由であり、メリットでもあるのですが、夫婦が対等な立場に立てると考えることができることがあげられます。

日本でいうならば、「○○さんのお嫁さん(奥さん)」と呼ばれることなどで、私は夫の(家の)付属品ではない!と男女平等的な観点からモヤッとした感情を抱く人もいるでしょう。

本当の意味で男女平等な結婚が出来ると信じられており、不平等さを解消することができると言われます。

事実婚のデメリット

 

良いことがあれば、悪いこともある。

事実婚のデメリットも見ていきましょう。

事実婚のデメリット(1) 周囲の理解が低い

若い世代には受け入れられる事実婚ですが、それでも親世代くらいになると籍も入れずに男女がずっと一緒にいるなんてと眉を曇らせる人も多いのが事実です。

これが事実婚のデメリットであると言えるでしょう。

特に女性は、妊娠出産、そのあとの子育てなど実子との密な関係が求められることも多いので、それを心配する親心とも言えなくは無いのでしょう。

周りの認知度が低く、何かと不便な思いをすることも多くなってしまいます。

事実婚のデメリット (2) 子供ができた場合

子供の話が出ましたが、法律婚と違い事実婚の場合は夫婦が同じ戸籍に入っていません。

そんな中で生まれた子供は母親の戸籍に入ることになり、父親は不在ということになります。

もし、事実婚の男性側が父親と名乗りたいという場合は認知をして、その名前を女性側の戸籍に名前を記入することになります。

これは前出の戸籍を汚したくないという人には、離婚よりも大きなデメリットとなるのではないでしょうか。

事実婚のデメリット(3) 相続や税制等が不利

事実婚のデメリットは、金銭的な問題にもあります。

まず、法律婚の場合は当然のように認められる妻の配偶者相続権が事実婚では認められないことです。

自分で稼ぐから構わないと言う人なら良いですが、夫の家が資産家である場合かなりもったいないことになるのは事実です。

また、税金面では配偶者控除が受けられないというものも事実婚のデメリットとしてあげられます。

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事実婚って実際どうなの?!〜事実婚を知り結婚の形を考える〜のまとめ

 

近年注目されている事実婚という結婚の形について、詳しくご紹介してきました。

特に法律的には相続権が無いというのは痛いですが、それ以外では法律婚とほぼ変わりなくメリットも多いことがおわかりいただけたでしょう。

事実婚関係から離婚する時に、このような当然認められている権利を知らずに損をしてしまうこともあります。

離婚するときは弁護士に依頼して、しっかり事実婚でも財産分与や子供の認知、養育費の請求などをしっかり行っていきたいですね。

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この記事の作成者

カケコム編集部