会社都合退職と自己都合退職では失業保険が違うの?〜会社都合退職にするメリットとは〜

会社都合退職と自己都合退職の失業保険には少し違いがあるって知っていましたか?退職後の頼みの綱である失業保険で損をしないためにもしっかりと二つの退職の違いと失業保険について知っておきましょう!

目次

会社都合退職と自己都合退職の失業保険には違いがあるって知っていましたか?

 
退職には、会社の都合によって退職する会社都合退職と、労働者の都合によって退職する自己都合退職があります。
 
これらの会社都合退職と、自己都合退職では、実は支給される失業保険に違いがあるのです。
 
失業保険は、次の職を見つけるまでの生活費などに必要不可欠であり、失業しても次の職を見つけるまでの負担を国が保障するものです。
 
その失業保険に違いがあるのですから、どちらの退職に当てはまるのかは、大切なことですよね!

会社都合退職と自己都合退職の失業保険の違いとは?

 
では、会社都合で退職する場合と、自己都合で退職する場合、失業保険にどのような違いがあるのでしょうか。

そもそも失業保険とは?

そもそも「失業保険」という言葉は公的なものではなく、雇用保険の一部を指すものです。厚生労働省によると雇用保険とは、労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、給付される失業等給付を指します

自己都合退職とは?

自己都合退職とは、転職をはじめ、病気の療養や結婚による引っ越しにより、自ら希望して退職するケースのことです。
 
自己都合退職の多くは転職であることが多いですが、まれに重病で休職では賄いきれない場合や、配偶者の転勤による引っ越しなどが理由で自己都合退職するという場合もあります。

会社都合退職とは?

会社都合退職とは、会社側からの一方的な労働契約解除によって退職を余儀なくされることを指します。一般的には、経営破たんや業績悪化に伴う人員整理の対象になった場合などが該当します。
 
セクハラやパワハラなどが原因でやむを得ず退職するという場合もまた、会社都合退職に該当します。

自己都合退職との失業保険の給付日数

失業保険の給付日数は、雇用保険の加入期間に左右されます。
  • 雇用保険加入が~10年:90日間
  • 雇用保険加入が10年~20年:120日間
  • 雇用保険加入が20年以上:150日間 
自己都合退職の場合は上記のような給付日数となっています。

会社都合退職の失業保険の給付日数

一方で、会社都合退職の場合、失業保険はどれくらいの日数にわたって給付されるのでしょうか。
  • 雇用保険の加入が~10年:90~240日間
  • 雇用保険の加入が10~20年:180~270日間
  • 雇用保険の加入が20年以上:240~330日間 
比較するとわかりやすいのですが、会社都合の場合のほうが圧倒的に多くの日数にわたって給付される期間が長いのです。また、日数に幅があるのは、会社都合で退職した場合は、給付日数が年齢などによって左右されることが関係しています。

会社都合退職にする失業保険のメリット

 
ご紹介してきたように、給付日数は明らかに会社都合退職のほうが多かったのですが、他にも会社都合退職にはさまざまなメリットがあります。

会社都合退職にする失業保険のメリット(1) もらえる額が多くなる

失業保険の給付額は、今までの勤務先から受け取った「退職前6カ月間の給料」の約50~80%にあたります。
 
この点は自己都合退職も会社都合退職もかわりはないのですが、もらえる日数が圧倒的に会社都合退職の方が多いため、ぎりぎりまで次の職に就けなければ自然ともらえる総額はアップするということです。

会社都合退職にする失業保険のメリット(2) 早くもらえる

失業してから実際に保険が給付されるまでの期間にも差があります。
 
  • 自己都合退職の場合、給付までの最短日数:3か月と7日
  • 会社都合退職の場合、給付までの最短日数:7日 
このように、会社都合退職の方が給付までの日数が明らかに短く、すぐに受け取ることができるのです。

会社都合退職にするデメリットはある?

さまざまなメリットがある会社都合退職ですが、もちろんデメリットもあります。

それは、転職活動で不利になる場合があることです。基本的に、企業は優秀な人材を、会社側から辞めさせようとはしません。企業の利益となる人材を手放すことは企業にとっては不利益になり得るからです。

しかも、会社都合退職の中には、個人の成績が振るわなかった場合などを理由とした解雇も含まれるのです。そのため、次の転職の際には、前職退職理由を誤解されないようにきちんと説明する必要があるでしょう。

会社都合退職にできなくても・・失業保険が制限なしに受け取れる場合があります

 
たとえ会社都合退職にならなかった場合でも、制限なく失業保険を受けとることができる場合もあります。

会社都合退職にできなくても(1) 特定受給資格者|失業保険の受給資格を

会社の都合によって退職を余儀なくされた方は、失業保険の給付日数が多めに付与されるようになっています。以下の要件に該当する方のことを特定受給資格者と呼んでいるのです。
 
厚生労働省職業安定局によると、
 
1)倒産等により離職した者
2)解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)等により離職した者
 
これらは特定受給資格者であり、給付日数が他の失業者に比べて多くなるのです。

会社都合退職にできなくても(2) 特定理由離職者|給付制限なしに失業保険を 

特定理由離職者は、給付制限なく失業保険を受け取ることができます。該当するのは以下のような方です。
 
1)期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)
 
2)正当な理由のある自己都合により離職した者(心身の障害、通勤の不可能、 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者など)

失業保険の恩恵を受けるために会社都合退職にする方法

 
失業保険の恩恵を受けたい場合、以下のような方法で会社都合にできる場合もあります。

失業保険のために会社都合退職に(1) 会社都合退職にできるかもしれない場合

  1. 基本的に上記でご紹介したような特定受給資格者に該当する場合は、会社都合退職にできます。
  2. 労働時間や賃金について、あらかじめ提示されていたものと大きく異なる場合も、会社都合にできます。
  3. 賃金が一定以上低下した場合は会社都合になり得ます。

失業保険のために会社都合退職に(2) 会社都合退職の証拠を集める 

会社都合退職にするためには、その証拠を集める必要があります。
 
たとえば過度の労働によって心身に障害をきたしたら、診断書をもらうことが有効です。
 
また、労働時間や賃金が採用条件と大きく異なっていたら、給与明細・タイムカードのコピーと求人票を保管しておきましょう。これらの証拠によって会社都合退職にできる可能性があります。

失業保険のために会社都合退職に(3) ハローワークで自己都合退職を会社都合退職へ

一度は自己都合退職をしてしまった後からでも、場合によってはハローワークで自己都合退職を会社都合退職にできることもあります。
 
ハローワークに退職までの詳しい経緯を説明することで、会社都合退職の扱いにしてもらうことができ、失業保険の給付制限が解除されることがあるのです。ですから、もう自己都合退職をしてしまったから…と諦めてはいけません。

労働問題に強い弁護士に相談を

労働問題、特に雇用問題については法的な知識は欠かせません。
 
もしもあなたが自己都合退職にあてはまらないのにも関わらず、自己都合退職で処理されようとしているならば、労働問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。
 
会社都合退職のデメリットも知った上で会社都合退職を望むのであれば、証拠を集めた上で弁護士に相談しましょう。

会社都合退職と自己都合退職では失業保険が違うの?〜会社都合退職にするメリットとは〜のまとめ

 
ご紹介してきたように、会社都合退職と自己都合退職では、失業保険の給付についてかなりの差があります。しかし、会社都合が万能ではなく、転職時にマイナスの面が出る可能性もあります。
 
これらのことを理解した上で、自己都合退職を会社都合退職にしたい場合は、労働問題に強い弁護士に相談してみることをおすすめします。
 
特に失業保険は退職後の生活を支える大切なものですので、できるだけ多く、早く支給してもらいたいものですね。
この記事の作成者

カケコム編集部