タイムカードがない会社は違法なの?もしそんな会社にいるのなら考えてほしいこと〜

「うちの会社にはタイムカードがない」という方は、この記事をじっくり読んでください。その会社はブラック企業かもしれません。タイムカードの使用は法律で義務付けられているわけではありませんが、「残業隠し」の目的でタイムカードを撤廃する企業が存在します。

目次

 あなたの会社にタイムカードってありますか?

 

タイムカードは、労働者が縦長の厚紙カードをレコーダーに挿入し、出勤時間と退勤時間を記録するシステムです。これで勤務時間が明確になります。

「働いた証拠」になるタイムカードは、かつては働く人の味方でした。会社が本来支払うべき金額より少ない給料を支払ったら、労働者はタイムカードを示して「○時間働いたんだから、この給料は少ない」と主張できます。

しかしいまは、ブラック企業がタイムカードを悪用しています。また悪意をもってタイムカードを撤廃する企業もあるのです。

タイムカードのない会社は違法なのか?

タイムカードのない会社は、なぜこのシステムを嫌うのでしょうか。

「経営者にやましい気持ちがあるからタイムカードを撤廃したのでは?」

と、気になる方もいるのではないでしょうか。 

タイムカードを義務付ける法律はない

労働基準法は企業に対し、労働者の労働時間を適切に管理するよう求めています。労働者が何時間働いているかを把握することは、企業の責務なのです。

しかしこの法律は「企業はタイムカードを導入しなければならない」とは言っていません。つまり、タイムカードを導入しないことは違法ではないのです。

では、タイムカードが存在しない会社では、どのような問題があるのでしょうか。 

参考:「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(厚生労働省)

勤怠管理が全くされていないのなら問題|残業代を巡る問題〜

タイムカードはなくてもかまいませんが、勤怠管理をまったく行っていない状態は許されません。なぜなら、法律で労働者の働く時間は原則「1日8時間以下、1週40時間以下」と定められているからです。

ブラック企業は、わざと勤怠管理を行いません。「正確に労働時間を計ってしまうと残業代を支払わなければならなくなる。それは嫌だ」と考えるからです。

タイムカード問題と残業問題は密接に関係しています。 

タイムカードのない会社は他に問題がある場合も多い

タイムカードがなく、その他のいかなる方法でも労働時間を把握していない会社はかなりブラックです。

労働時間に関心が薄い企業は、「労働者の健康に関心がない」と言っても言い過ぎではないでしょう。長時間労働は、心臓や脳血管や精神に悪影響を及ぼすからです。

そのような企業は、行き過ぎると労働者が不正を働こうが、過酷な環境で働いていようが、「売り上げさえあげれば良し」と考えます。社会に害を及ぼす存在になりかねません。

タイムカードのない会社に残業代を請求するには

タイムカードが法律で義務付けられていない以上、働く人が経営者に「タイムカードを導入して」と求めても拒否されるでしょう。

こうした会社には、働く人はどのように対抗したらいいのでしょうか

タイムカードのない会社で残業代請求の方法(1) 個人で出勤時間と退勤時間を記録しておく

誰でもすぐにできる対抗方法は、自分の手帳に出勤・退勤時刻と休憩時間を記録することです。

「労働者自身が手書きしたものが役に立つのか?」と疑問に思うかもしれませんが、証拠になるんです。

残業代の未払いを争ったあるケースでは、労働者自身が記録した出勤・退勤時刻と休憩時間のメモがあったおかげで、使用者側が労働者に140万円の解決金を支払いました。 

参考:「残業代、メモによる労働時間の記録の証明力がよく示された事案」(平松剛法律事務所)

タイムカードのない会社で残業代請求の方法(2) 就業規則を確認しましょう

タイムカードがない会社で働いている人は、就業規則を確認してみましょう。会社がどのようにして労働時間を把握しようとしているのかが分かります。

就業規則に「タイムカードを打刻すること」と規定しているのに、タイムカードを撤廃してしまったトホホな企業もあります。社長が急にタイムカードを邪魔に感じて廃止したものの、就業規則を変更することを忘れていたのでしょう。

就業規則をないがしろにする会社は危険です。

タイムカードのない会社で残業代請求の方法(3) 証拠を用意し直接交渉する|内部の窓口に相談も

残業代が支払われない状態が続き、なおかつタイムカードがないときは、会社に直接交渉することも大切です。「悪い会社」ではないけど「小ズルい会社」の場合、労働者からの訴えがあったら、うっかりミスのふりをして残業代を後払いしてくれる可能性があります。

直接交渉するときは、自身で記入した出勤・退勤時刻のメモ書きを持参してください。そうすることで「自己管理がしっかりしている社員」と認められることもあります。

タイムカードのない会社で残業代請求の方法(4) 労働基準監督署へ相談

労働者が書いた出勤・退勤時刻メモについて、会社が「そんなのは信用しない」と残業代の支払いを拒絶したら、労働基準監督署に相談しましょう。

労基署職員は「労働Gメン」と呼ばれ、ブラック企業を摘発します。相談するときは、①残業をした証拠②残業代が支払われていない証拠が必要です。

①は出勤・退勤時刻メモでOKです。
②は給与明細書と就業規則だけでなく、上司や社長の発言も有力な証拠になります。労働者は、経営者の口から「トンデモ発言」が出たら、「発言者の氏名、役職、日時、場所、発言内容」をメモ書きしておきましょう。

タイムカードのない会社で残業代請求の方法(5) 労働問題に強い弁護士へ相談を!

労働問題を取り締まる「労働基準監督官(労基官)」と呼ばれる職員は、全国に約3000人しかいません。一方、国内の企業数は421万社に及びます。労基官が1人で1社を監視しても、わずか0.07%の企業しかカバーできないのです。

参考:「日本の中小企業」(経済産業省)

ブラック企業に勤める従業員が「労基署は何もしてくれない!」と感じるのは、人手不足も一因なのです。

そこで、タイムカードがない会社で残業代の未払いがあった場合、労働問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士は「あなたのために」動いてくれます。

弁護士を選ぶコツは、次の3点です。

①労働問題を専門にしている

②初回の相談が無料

③成功報酬 

労働問題に強い弁護士に相談する

タイムカードのない会社なんて辞めてしまうのも?一つの手です・・・

タイムカードがない上に残業代を支払わない会社には、強い悪意を感じます。もし「自分の会社はその2条件に当てはまる」という方がいましたら、次の項目に「✔(チェック)」を付けてみてください。

□セクハラやパワハラがある

□基本給が安く、歩合給やボーナスの割合が高い

□新人教育が雑、または社員教育制度がない

□給料が遅配になったことがある

□自分の仕事が社会を良くしていると感じられない

□同僚や上司を信用できない

「1個もチェックが付かない」という人はいないのではないでしょうか。

もし、すべての項目にチェックが付いているのに、それでも「私の居場所はこの会社しかない」と感じている人がいましたら、鬱の傾向があるかもしれません。

重い鬱病にかかると、会社に行くことができなくなりますが、きちんと出勤している人にも、鬱の前兆はみられます。

会社を辞めることは「逃げ」ではありません。転職は、自分の価値を認めてくれる企業を探す活動に他なりません。

タイムカードのない会社の問題点について知りたい人ははこちらもおすすめ

タイムカードがない会社は違法なの?もしそんな会社にいるのなら考えてほしいこと〜のまとめ

厳しい会社が必ずしも悪い会社というわけではありません。

企業によっては、タイムカードに時刻を印字するレコーダーを、管理職の机の近くに置いていることがあります。管理職がスタッフの打刻タイミングに目を光らせているわけですので、「厳しい会社」といえるでしょう。

しかし、これは朝の出勤時に、タイムカードを押してからタバコを吸うような不良社員を監視しているわけですから、会社の生産性を上げる取り組みといえます。

ところが終業時刻になったとき、管理職が残業中の部下に向かって「君たち、タイムカードを押しなさい」と言ったら、残業隠しのためにタイムカードレコーダーを監視しているわけですから、そこは「悪い会社」です。

タイムレコーダーの取り扱い方で、「会社の本当の姿」が見えるのです。
この記事の作成者

ジコナラ編集部