懲戒解雇の手続き|社員が非行を行なった場合にやるべきこと

懲戒解雇されそう…でも会社は正規の手続きを踏んでいるでしょうか?懲戒解雇は簡単にできるものではありません。企業は、定められた手続きに従う必要があるのです。では、懲戒解雇の手続きはどんなものか?懲戒解雇は本来どのような時に認められるのか?についてご紹介します。

目次

懲戒解雇ができる場合はとても限られている

 
懲戒解雇(ちょうかいかいこ)とは、労働者の非行に対する制裁である懲戒処分のうち、労働者が企業秩序を著しく乱したといえる場合に行われる、通常最も重い処分をいいます。
 
重い懲戒処分だからこそ、万が一懲戒解雇が違法なものだった場合に負う企業の責任も重いものになります。懲戒解雇は法律で強く規制されているのです。
 
つまり、懲戒解雇を考えるにあたっては、法律が深く関わってくることになります。

弁護士に相談する

懲戒解雇手続きの流れ

 
懲戒解雇が実現するまでには、以下のような手続きが必要となります。

懲戒解雇手続き① 要件に該当するか確認する

まずは、懲戒解雇に該当する要件なのかどうか、就業規則などを確認する必要があります。就業規則などの解釈を間違えているなどの場合には、そもそも懲戒解雇の要件に当てはまっていないということになります。
 
本当に懲戒解雇となり得る場合であったのかどうかについては、裁判所の判例や過去の懲戒解雇の事例なども参考にした上での、慎重な調査・確認が要求されます。

懲戒解雇手続き② 就業規則を確認する

懲戒解雇は、基本的に就業規則に基づく場合が多いといえます。
 
そのため、就業規則について注意深く読み込む必要があります。読み取り方を間違えていないかなどについて、懲戒解雇という最終決断を下す前に確認する必要があるのです。
 
もっとも、この判断は法的判断を含むため、基本的には弁護士などの専門家の知識が必要となるでしょう。

懲戒解雇手続き③ 解雇予告除外認定申請を行う

労働基準法第20条により、以下のように定められています。
解雇予告手当はほぼ1か月分の給与に相当する金額です。少額ではないので、会社としては懲戒解雇をする場合には解雇予告除外認定申請を行うのが望ましいですね。
使用者は、労働者を解雇しようとする場合には少なくとも30日前にその予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために、事業の継続が不可能となった場合や労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合にはこの手続は除外されます。その事由については、所轄労働基準監督署長の認定を受けなければなりません。
 

懲戒解雇が認められる場合

 
では、懲戒解雇はどのような場合に認められるのでしょうか?

刑法犯に該当する行為

社会人である前に、一人の人間として、法の遵守は当たり前のことです。
 
でももしも法に反するようなことをしていたら…。たとえば、殺人・強盗・放火・強姦・暴行・傷害・窃盗・詐欺などが該当します。
 
企業に所属している間に上記のようなことをしていたことが明らかになった場合、懲戒解雇になる可能性があります。
 
会社が被害者となる横領・背任の場合には、懲戒解雇の可能性が一層高まることも押さえておきましょう。

無断欠勤が直らない場合

度重なる無断欠勤についても、懲戒解雇の対象となり得ます。
 
労働基準監督署の解雇予告除外認定の基準が14日以上であることから、多くの企業では14日以上何の連絡もなく欠勤した場合には懲戒解雇となる可能性が高まります。

重大な経歴詐称が発覚した場合

たとえば、英語の能力が求められるような企業に就職する際、採用されたいがために本当はTOEICで400点しか取得できなかったにも関わらず、履歴書などに「TOEIC800点」などと経歴を詐称した場合、懲戒解雇の対象となる可能性があります
 
また、他にも学歴なども実際の業務に大きく関わるような場合は、詐称していれば懲戒解雇の対象となり得ます。

職場の風紀や規律を著しく乱した場合

何度注意をしても社内のドレスコードを守らない場合なども懲戒対象となります。
 
企業によっては男性はスーツ、女性はそれに準ずるような服装で、と就業規則に規定がある場合もあります。そのような場合に、たとえばデニムで出勤したり、クールビズでもないのにノーネクタイで出勤を続けたりすれば、風紀を乱したという理由から懲戒解雇となるかもしれません。

業務妨害が行われた場合

たとえば企業の名誉を侵害するような嘘の噂を流す、企業の施設を破壊するなどが業務妨害に該当します。
 
このような場合も、程度によって懲戒解雇の対象となり得ます。

懲戒解雇後の対応もしっかりと行いましょう

 
懲戒解雇の手続きが終わっても、まだ企業側にも労働者側にもやるべきことがあります。

有給か欠勤扱いとして無給とするかの判断をする

懲戒解雇後から出勤しないことになった場合でも、契約期間まではまだ時間がある場合もあるでしょう。その期間は有給休暇扱いになるのか、それとも給与が発生しない欠勤となるのかについて、有給申請の有無、有給の条件を満たしているかなどを考慮して判断する必要があります。

再発防止策を考える

懲戒解雇は企業にとっても、労働者側にとっても避けたいものです。企業にとっては外聞の悪いことであり、労働者側にとっては転職時の足かせになり得ます。
 
二度と同じことで懲戒解雇すること、されることがないよう、就業規則を見直したり、社員の士気を高める方法を考えた方がよいでしょう。

懲戒解雇の手続き|社員が非行を行なった場合にやるべきことのまとめ

ご紹介してきたように、懲戒解雇が認められる場合は限られています。
 
不当な懲戒解雇の疑いがあったら、労働問題に強い弁護士に相談することが適切です。懲戒解雇は、職を奪う重大な処分である上に、次の職探しの時にあなたの転職活動を妨げる非常に強力な効果を持っています。専門家の力を借りなければとても解決できない大事件の一つでしょう。
 
 

弁護士に相談する

この記事の作成者

ジコナラ編集部